角川新書<br> 虚構の昭和史 海軍善玉論、石原莞爾名将論の陥穽

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角川新書
虚構の昭和史 海軍善玉論、石原莞爾名将論の陥穽

  • ISBN:9784040825465

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内容説明

創られた英雄、偽りの名将。
隠蔽された失敗、糊塗された責任。
戦後、陸海軍は歴史修正(メイキング)を如何にしたのか?
現代史家を代表する三人が事実だけでなく、虚構を生む土壌まで考察する。
珠玉の昭和史検証。

石原莞爾の戦場経験は乏しく、指揮能力は疑わしい。
山本五十六は「戦争に反対」ではなく「負ける戦争に反対」だっただけ。
海軍善玉論に石原莞爾名将論。否定されて久しいが、未だに根強くイメージが残っているものだ。
それらはなぜ誤っているのか?また、なぜ生まれ、流布され、信奉者を生み出し続けるのか?
さらに瀬島隆三、源田実、奥宮正武、黒島亀人など、事実の隠蔽や改竄を行った人物を俎上にあげ、
『山本五十六』『坂の上の雲』が触れなかった事柄から虚構を生んだ土壌までも考察する。
旧軍人の証言を直に聞いてきた三人が秘話を語りつくす!

■石原の戦争観や戦争論も留学時代の知識の受け売りだった
■瀬島龍三は保阪正康に買収を仕掛けてきた
■阿川弘之『山本五十六』旧版の絶版は、「事件」と呼ぶのがふさわしい
■「その後の秋山真之」を司馬遼太郎が書かなかった理由
■特攻の作戦計画を練ったのは源田実と黒島亀人だった
■最初の特攻要員を志願だったことにしたい海軍軍令部が行った詐術
■辻政信の著作は研究者の参考にならない
■『トラトラトラ』を書いたプランゲも黒島に騙された
■敗北に学んだように見せかけて、敗戦原因をぼかした源田実

【目次】
まえがき
第一章 怪しげな戦史の作者たち
第二章 真相の暴露を恐れる人々
第三章 創られた英雄・山本五十六
第四章 戦史はこうして上書きされる
第五章 「海軍善玉論」 が覆い隠したこと
第六章 平和国家の忘れもの
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

113
戦史通の三人が常識をバッサバッサと切り裂いてゆく:石原莞爾の戦略論は当てずっぽう。山本五十六は作られた英雄(真珠湾やミッドウェイの強行も「軍令部憎し」の私情から)。特攻作戦の仕掛人は大西瀧治郎ではなく源田実と黒島亀人…。議論の極みは「海軍善玉論は欺瞞である」。海軍OBのイメージ戦略に世間が乗せられたのだと。海軍は、敗戦で形式上解散したが、機雷掃海や復員輸送など仕事が途切れることなく海自に生れ変る。帝国海軍がそのまま現代に繋がっている恐ろしさ。個々の議論の真偽を吟味する必要はあるが、刺激的な視点満載の一冊。2026/09/05

skunk_c

75
「歴史探偵団」の中でも軍事、特に海軍に造詣の深い3人が集まった鼎談で、この「集まり」の提唱者であった故半藤一利氏が疑義をつけ始めたという「海軍善玉論」がいかにできあがってきたかという議論が大変面白かった。最若手の大木氏が全体をまとめる中で、86歳になられた保阪氏も大いに語っている。とにかくこの人達の記憶力は半端なく(もちろん後で編集の際細部は確認したのだろうが)、人の名前、書名がポンポン出てくる。阿川海軍提督三部作についても、決してくさしてはいないが読み方に注意すべきとの指摘はその通りと思った。2026/07/15

CTC

13
7月の角川新書新刊。保阪正康、戸髙一成、大木毅の鼎談。「海軍善玉論、石原莞爾名将論の陥穽」とのサブタイトル。各人が昭和史の当事者取材において摂取してきた、しかし文書化し難い内容を収録。つい先頃読んだ大木武『ミッドウェイ海戦』とつい比較してしまうが…大木さんは13歳上の戸髙さんや22歳上の保阪さんの前では遠慮気味で2人の補足的役回りに徹している。それでも編集者相手よりもエピソードが出てくる…まぁ大木さんはそもそも陸の方が得意なのだろうけど。これくらいの密度だと全然値段気にならず、毎月でも買うけどなぁ。2026/07/19

Shinya Fukuda

6
タイトルは帝国陸海軍の通説を検証するとした方が良い。陸軍関係では石原莞爾はテロに成功しただけで指揮官としては疑問符がつくとか世界最終戦争論は妄想であるとなる。瀬島龍三は保身のために重要事項を隠したまま死んでしまった。又、保坂に買収を仕掛けたとなっている。海軍善玉論は陸軍に押しまくられていた海軍のルサンチマンから発し、戦中から仕掛けられ、それに乗ったのが阿川弘之と司馬遼太郎という見立て。秋山真之についてもあるものが脳に回っていたとなっている。黒島亀人は玉突き人事で出世したに過ぎないパフォーマーだとなる。最高2026/09/24

卍ザワ

6
かなり読みやすかった。「山本五十六」や「坂の上の雲」は、取材先の海軍OBに、かなりの思惑や恣意的なもので、間接的にコントロールされ、結局は海軍にとって都合のいい情報・事例をまとめたものになった。作品や作家といった段階までなら、巧妙なシビリアンコントロールだ??、で済んだんだろうが、それが今も残る名作のレベルともなれば話が違ってきて、令和の今でもその影響を世の中に与え続けている。テレビで、保守系の政治番組に共感してる人は、大多数がそうではないか。自分も含め、知らないうちにコントロールされてたってことか。2026/09/22

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