内容説明
戦後最年少52歳で首相に就任、8年8ヵ月の史上最長政権を誇った安倍晋三。祖父に岸信介を持つサラブレットは、自民党最右派として憲法改正を掲げたが一次政権では挫折する。
しかし政権復帰後、「アベノミクス」など経済政策により支持を獲得、6度の国政選挙に連勝し「安倍一強」体制を築く。彼の威光はG7でも際立ち、トランプ米大統領への対応など国際的評価も高かった。だが、安保法制など敵と味方を峻別する政治姿勢や、森友・加計学園、桜を見る会など権力の私物化への批判が付きまとった。
本書は波乱と毀誉褒貶に満ちた安倍の生涯を辿り、彼の政治を総括する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぴー
79
安倍晋三氏の新書本が意外と早く出版されていたため、購読。第一次〜四次内閣の長期政権を評価している。外交面では、インド太平洋地域で積極的なアプローチを行った。だが北朝鮮、中国、ロシアとの外交の評価はあまり高くない。特に日韓関係はむしろ悪化したような記述があった。官邸主導による政治、モリ・カケ・サクラなど長期政権による弊害、コロナ対策迷走などには辛口評価の印象を受ける。安倍氏が暗殺されて、まだ4年間しか経過していない。あと数年後には現内閣を含めた自民党の評価伝を読んでみたいです。2026/06/30
Tomoichi
21
奈良県警の杜撰な警備の為に本来であれば防げた暗殺で亡くなった安倍晋三元総理。8年8か月に渡る最長不倒の総理在任期間を誇る安倍元総理のその生涯を描く評伝。新書にしては珍しく参考文献だけでなく注記も記す。安倍さんに対する評価について納得出来るもの出来ないものもあるが100%素晴らしい総理でしたも気持ち悪い。石破の様に評価のしようがない人もいるので、賛否両論あろうとも評価するに値する総理であった事は間違いない。ただ国民の分断はオールドメディアが作り上げたものであり、安倍さんの評価とは関係ない。2026/07/04
サケ太
18
かなり興味深い1冊。バランスの取れた印象の内容で、安倍晋三の関わった事績、それがどのように世間に評価されていったのか。その時代に生きた、生きている人間として、実感込みで感慨深い。もちろん、安倍晋三のレガシーが今後も評価され続けるだろう。ここで、平成の歴史について振り返ることが出来て良い読書体験ができた印象。2026/07/06
かんがく
13
著者の首相評伝を読むは中曽根、田中、広田に次いで四作目。自分がリアルタイムで見ていた首相なので、既知の内容が多かった。人物的掘り下げがもう少し欲しかったが、最長政権の動きを追うだけで分量が蓄積してしまうので仕方ないか。外交や福祉政策に一定の評価を加えつつ、官邸主導や敵味方を区別する政治姿勢を批判。こうして振り返ると、やはり小池百合子の時の選挙で野党がもう少し上手く動けなかったのかと思ってしまう。2026/07/03
みじんこ
8
毀誉褒貶相半ばする生涯、巻末の参考文献は膨大。序盤は岸信介の影響、拉致問題や改憲への強い思いが伝わってくる。歴史問題や領土問題を前進させようとしたが、国際情勢の変化等もあり思い通りにいかない部分もあった、「不完全なリアリスト」との評は的を射ていた。戦後70年談話はあえて出さないことで十年ごとに出す慣習を終わらせられたのでは、との指摘は自分にはない新視点だった。吉田茂の評価の変化の話にも触れられていたが、彼にもFOIPや平和安全法制等のレガシーも確かにあり、今後の日本の歴史の中でどう評価されていくのだろう。2026/06/21
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