岩波新書<br> 「アメリカの戦争」と世界危機 - イラン侵攻は何をもたらすのか

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岩波新書
「アメリカの戦争」と世界危機 - イラン侵攻は何をもたらすのか

  • 著者名:三牧聖子【編】
  • 価格 ¥1,056(本体¥960)
  • 岩波書店(2026/06発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004321149

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内容説明

アメリカとイスラエルによるイラン攻撃は世界中に衝撃を与えた.トランプの「強権」と「暴走」,くすぶり続ける中東の火種,混乱する市場経済.なぜいま「戦争」が起き続けるのか.「戦争」が突きつける現実とは何か.12人の第一人者が積み重なる惨禍と複雑に絡み合う歴史構造を直視し,終わらない危機の実像に迫る.

目次

序 章 「危機」を直視するために……………三牧聖子
第1章 イラン戦争とアメリカ……………三牧聖子
第2章 イスラエル――「イランの脅威」に取り憑かれた国家……………鈴木啓之
第3章 中東におけるイラン……………坂梨 祥
第4章 イランは宗教国家か――イスラーム共和体制のゆくえ……………黒田賢治
第5章 トランプの論理――神の名をめぐる闘争……………加藤喜之
第6章 覇権国不在の世界経済のゆくえ――一九三〇年代型の混乱が続くのか……………河野龍太郎
第7章 中国の原則と行動――ウクライナ戦争とイラン戦争における中国外交……………山口信治
第8章 ホルムズ海峡危機と「資源小国」日本……………白鳥潤一郎
第9章 高市政権の外交と日本の選択……………山本章子
第10章 グローバルサウスの多国間主義――アラカルトから規範的連帯へ……………根岸陽太
第11章 逆流する「対テロ戦争」――指導者殺害作戦について……………西 平等
第12章 軍拡はAIからはじまる……………内田聖子

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

79
アメリカ(&イスラエル)のイランに対する戦争について、多様な角度から多くの著者がそれぞれの専門に引きつけて書いた論文集。意外だったのは、この出版社のわりにはかなり現実主義的な議論が多かったこと。特に興味深かったのは、第6章「世界経済のゆくえ」、第12章「軍拡はAIから始まる」で、特に後者からは1968年に公開された『2001年宇宙の旅』を思い出させた。小学生の時に見てその映像に度肝を抜かれ、アーサー・c.クラークのシナリオを読み、それこそ何十回も見た映画の世界が、いよいよ現実化してるとすればそら恐ろしい。2026/09/18

読特

48
イスラエルの論理、イランの国情、アメリカの変節。追い込まれるトランプ政権、選択肢を狭める高市内閣、虎視眈々の習主席。覇権国がいなくなる、ドルが基軸ではなくなる。それぞれが都合よく解釈する国際法、禁じ手ではなくなるリーダーを直接狙う攻撃。生殺与奪の最終判断をAIが下す時代が到来する。…今も危機が続くイラン戦争。12人の識者による多角的視点での分析。この後世界はどうなるか?資源枯渇は乗り切れるのか?日本という国は存続できるのか?AIに支配される未来は避けられるか?わからない中で模索する、自らが生き残るために。2026/08/13

Sam

40
編著には散漫な印象を受けるものもあるが、本書はイラン戦争を切り口に「アメリカの戦争と世界危機」というテーマを多面的に論じた好著だと思った。編者は出版社に担がれたのではなく自身の構想をしっかり練って的確な人選を行ったのだろうと想像する。具体的には「アメリカの戦争」を起点としてイスラエルとイラン、世界経済、中国、日本、グローバルサウス、対テロ戦争、AI・軍拡というふうに同心円状にテーマが遷移していく構成になっている。各章20ページ程度なので各著者の見方を提示するに留まるが、それでもとても参考になった。2026/10/03

ラウリスタ~

14
12人によるオムニバス。ほとんどが70-80年代生まれの若手中堅の研究者たち。三牧は不必要な戦争にイスラエルが巻き込んできたとの米国人の怒りと反イスラエル感情の高まりを、黒田はイスラム国家と説明されがちなイランの、最高指導者の選出に宗教性ではなく政治・血縁を重視する点などから世俗化を指摘。加藤らは神の名のもとに戦争を正当化しようとするトランプ、ヘグセス、ポーラ・ホワイトらの立場がいかに伝統的なアメリカの宗教政策と乖離しているか。実利重視の中国(米には倫理も実利もない)が相対的に国際秩序の擁護者となる皮肉。2026/09/17

鬼山とんぼ

6
時事問題を取り扱っている以上、包括的に多くの識者に概観、概論を披露してもらうよりも、中心的論点に絞って深掘りし、ありうべき展開、理想的な着地とその逆、などを手際よく求めて頂けた方がよかったな。そういう意味では各氏の執筆タイミングの問題もあって、ピンボケの恨みが残りました。米国は過去に国際法無視の指導者暗殺や謀略を多数行ってきたので、ハメネイ師含む50人爆殺も、振り返るとそれほど驚く話ではないとする軍事や外交の専門家も結構いるようです。極論すればトランプがネタニヤフにうまく乗せられたのが原因でしょう。2026/10/04

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