内容説明
2001年。中学二年生の高津は鬱屈した毎日を送っていた。離島の由緒ある家に生まれたが、父は女性問題が多く、母は何年も前に家を出て行った。家政婦の女性に育てられたが、その彼女自身が父の不倫相手。しかも狭い島では住人たちに事情は筒抜けだ。そんな彼はひと目を避け、「神隠しの入り江」と呼ばれる立ち入り禁止の海岸に入り浸っていたが、ある日、入り江で倒れている若い女性を発見する。診療所に運ばれた彼女は意識を取り戻すと、野津みかげと名乗り、自分は2079年にいたと語る。19歳だという彼女と交流をしていくうち、未来からきたというみかげの言葉を裏付けるような事件が起こり……? 名作『どこよりも遠い場所にいる君へ』の前日譚を描いた表題作に加え、シリーズからのスピンオフ短編4作を収録!
目次
まだいない君に星の舟を
天国へ続く橋
卒業前夜
2030.7.31
2069年、夏
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
18
2001年。離島で鬱屈した毎日を送っていた中学二年生の高津椿。神隠しの入り江に入り浸っていた彼が、倒れている若い女性を発見する短編集。父の女性問題や母の家出、家政婦も父の不倫相手という複雑な環境に鬱屈を抱える椿が、2079年から来たと語る19歳の野津みかげと出会い、交流していくうちに少しずつ変わっていく展開で、並行して28歳になり島に戻ってきた高津が頼まれたものを作る過程も絡めながら、みかげとの交流とその結末、和希の卒業前夜、五鈴の爽太への想い、そして時を巡る結末まで読んで良かったと思える短編集でしたね。2026/06/19




