〈教養〉は死んだか - 日本人の古典・道徳・宗教

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〈教養〉は死んだか - 日本人の古典・道徳・宗教

  • 著者名:加地伸行
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  • ISBN:9784569617053

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内容説明

教養がある人とは日本人の場合、よくものを知っている人で、知識人という意味と同じである。中国人の場合、教養とは知識とともに道徳的修養が含まれている。今では日中で知識型と人格型に分かれてしまった教養だが、かつては一体化していた。知識を学習することによって人格を高めていくとしていたからだ。その知識とは儒教的古典であった。古典学習が人格教育になるとされていた。現代日本人において〈教養〉は〈知識〉と〈人格〉に分裂し、知識型教養が肥大化している。これでいいのか、なぜ日本人は知識偏重になったのか、人格と知識の新しい結びつきは可能か、可能とすればどのような結びつきか等についてさまざまな面から考察する。目次は、第一部 〈古典をめざして〉から〈古典を通じて〉。第二部 漢文は死んだか。第三部 日本人が忘れたもの――道徳教育・儒教教育。補論 大学の死と再生と。日本人の〈教養〉の復権について語った著者渾身の一冊。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

うえ

8
「西洋近代の思想では、道徳は人間の良心の発露であり、国家や社会などの他律的介入を拒否する。それが可能なのは、おそら一神教の絶対神の前にある個人は、神に対して己れを隠すことができず、良心によって接することが基礎としてあるからであろう。しかし、多神教徒においては、神に対する畏れがあることはあっても、一神教ほどの絶対的なものではないから、神を畏れざるところがあり、道徳に至る良心には十分な信頼性がない…多神教徒は他律的とならざるをえない…道徳は教育の成果である。これが、東北アジアにおける牢固とした信念なのである」2018/03/31

swshght

8
中国古典学の立場から、日本の教養について考える。教養とは本来、知識と人格の双方が備わっていることを言う。だが、現代においては、知識のみが肥大化し、<教養人=知識人>となっている。人格は疎かになり、倫理と道徳の価値が揺いでいる。この状況にあって、著者は漢文教育と儒教の必要性を説く。近代以降の西洋的思想や教育制度を批判・検証する箇所は面白い。文献や辞典の記述を細かく追っていく手さばきはさすが。ヘーゲルの歴史観や丸山真男への手厳しい批判も読み応えがある。ただ、漢文の楽しさが見えてこない。本書の死角はそこにある。2013/07/18

Naota_t

5
#2326/★3.2/著者の得意分野・中国哲学史に紐付けて、現代の教養について物申す内容。普遍的な内容を期待すると、若干肩透かしをくらう。著者の主張する「無用の用」には賛成だが、それがわかるようになるのは、一定の読書数をこなしたり、好奇心の強い人のみだろう。選挙公約に入れても効果は薄いと思うが、説得力と権力のある人物が粘り強く主張し続ける必要があると思う。ーー漢文を不要として切り捨てるのではなく、逆に、漢文を文科系大学生の必修とすることが、今日の無惨な大学の再生の道につながる可能性を有している。(p45)2026/01/22

mustang

3
各方面の識者の言葉使い等の誤りを指摘、批判した著者の新聞コラムが痛快だったので著書を読んでみました。とても良い本です。古典を通じで叡智を学ぶことが非常に大切である。2011/10/17

westwing

2
保守の論客、加地伸行氏の16年前の著作。まず、漢字と日本語の勉強になる。日本3.0でも、日本の大学、入学者、卒業生のレベルに対する課題認識があったが、こと教養という視点において特に強調されている。最初は、坂村健氏と丸山眞男氏批判を筆頭に、現代人の教養の無さをひたすらなげきつつ、古典、道徳、宗教教育の必要性を訴えている。今の小中学校は道徳の時間ってあるなかな?自分は中学生日記や、教育テレビの学校ものを道徳の時間に見ていた。あれが正しいかどうかは別にして、結構大切な時間だったと思う。2017/03/16

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