内容説明
美術館設計は建築家の夢。師の願いを叶えるべく、助手のレンは住民の立ち退きに奔走する。資本家令嬢Qと未完成の建物を買った人民の欲望は交差し、ドラマは思わぬ方向へ転がる。矛盾だらけの中国大陸に「まごころ」はあるか? 奄美のリゾート開発計画を巡る悲喜劇を描く新潮新人賞受賞作「さびしさは一個の廃墟」併録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
82
建築のお話。「時の家」を思い出す。「時の家」はとても情緒的な物語だったけど、こちらは生々しい。中国の廃墟となったマンションを美術館に。それに絡む日本人建築家とその弟子。丹心をもって後世に残し伝えていくことの意味。新潮2026/4月号にて読了2026/06/30
ヘラジカ
30
175回芥川賞候補作を読むのはこれで四冊目だが、今のところこの作品が一番難しい。いや、小説自体が難解というのではなく、どこがどう評価されたのかが今一つ理解できないのだ。レンと鹿野川という主体性が曖昧な二つの人物を軸に展開しているため、ピントがどこに合わせられているかが不明瞭で、肝心要のタイトル「丹心(まごころ)」が何を指しているのかも分かるようで分からない。現実的に見えて現実離れしている筋書きにもモヤモヤ感が残る。が、分からなさも含めての純文学なので読んでいて楽しくはあった。2026/07/18
おかむら
23
芥川賞候補作。「新潮」4月号に載ってます。中国の建設途中で不況のために放置された高層マンションを美術館にする計画に巻き込まれた日本人建築家の話、だと思うんですが…。そんなに難解な文章って訳でもないのに全く話が頭に入ってこなかったわ。途中から惰性で文字だけ追ってました。純文学ムズ! 2026/06/20
白いカラス
2
中国では日本というだけで、建築でも電化製品でもブランドの価値があった時代は過ぎ去ってしまっており逆に、現代中国のパワーを文章から感じ取ることができました。ただテーマとなっている丹心とはどのようなことか一読だけではつかみ取れませんでした。再読してみます。2026/07/20
エイミー
2
「難解」との声もあるが、現代中国のリアルを知ると、どこがフィクションか分からないほど。 地方と中央政府の権力関係、莫大な投資の果てに残された未完成建築「爛尾楼」。それを美術館へ改造する日本人建築家と、謎に包まれた依頼者「Q」とその父「Q先生」。そして現地の立ち退き住民たち。通訳役の助手レンの視点を通して、巨大なカオスを覗き見るような作品です。2026/07/16




