講談社現代新書<br> 宗教建築を体感する 祈る心をかたちにすると

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講談社現代新書
宗教建築を体感する 祈る心をかたちにすると

  • 著者名:武澤秀一【著】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 講談社(2026/06/17 配信開始予定)
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  • ISBN:9784065441787

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内容説明

宗教建築は聖典や経典とならんで、あるいはそれ以上に、宗教を知るのに適した創造物である。なぜなら、文字が読めない人びとにもその宗教の本質が伝わるように造られているからだ。実際、著者にしても探訪した土地のことばをほとんど知らない。それでも宗教建築を案内しようと試みるのは、文字が読めなくても宗教の本質を体感できるからだ。宗教建築は、その宗教を理解するための“巨大な書物”と言えるのだ。
また文字が読めても、人びとが聖典を読むことが可能になったのは、ドイツのグーテンベルクにより活版印刷が可能となった十五世紀なかば以降である。本書で訪れる宗教建築のほとんどは、グーテンベルク以前に建立されたものである。人びとは文字に頼ることなく、宗教建築のなかで、その前で、あるいはその周囲で説教を聞き、礼拝していたのだ。
そして宗教建築における礼拝法と宗教建築へのアプローチはつながっていることが多い。礼拝法とアプローチは密接に絡んでおり、切り離すことができない。礼拝は宗教建築のなかで、その前で、あるいはその周囲でおこなわれるが、宗教建築へのアプローチがすでに礼拝に含まれていることが多いのだ。それゆえ、本書ではアプローチのありかたをも含めて、〈回る〉〈進む〉〈彼方を視る〉の三類型に分けてそれをさらに展開、そして最終的には「どこに意識が向かうのか」をキーワードとして世界の宗教建築に臨むことにする。
宗教とか宗教建築とか言うと、どこか胡散臭く、カビが生えたようなイメージがつきまとうと感じる向きがあるかもしれない。だが宗教建築は人びとの礼拝のしかたを決めているとともに、その宗教が想定する世界観を体現しているのであり、けっして古臭いものではない。人類にとって不変かつ普遍の価値をもつものだ。だからこそ、いまでもわれわれの心を打つ存在でありつづけているのだ。
本書が読者を誘うのは宗教建築が発している、人類が記憶すべき多様な世界観の数々である。そこから、どんなあらたな気づきが得られるだろうか? 本書で得られる宗教建築のイメージは従来のそれを塗り替え、一新するものとなると自負している。読者にとって宗教と建築との、あたらしくもみずみずしい出会いとなることを期して、ともに宗教建築探訪の旅に出よう。(プロローグより)

目次

ロローグ──礼拝法から宗教建築を分類する
回 る
第一章 回って昇る
1 卵と柱──サーンチーのストゥーパ
2 卵が加速する輪廻転生
3 最大最高の立体曼荼羅──応県木塔
第二章 同一レベルを回る
1 なぜ日本とこれほど違うのか──韓国の塔
2 列島の柱信仰が塔の心柱に──法隆寺五重塔
3 空海、その試みの系譜──東寺と根来寺の塔
第三章 進んで回る
1 大地への愛──インドの石窟寺院
2 時空を超える〈回る〉三廊式──ゴシック大聖堂とインド
3 美を否定する崇高な空間──アミアン大聖堂
コラム1 方位・方角について
進 む
第四章 真っすぐに進む
1 最奥の三極構造──伊勢神宮
2 潜在する道教的観念
3 真っすぐに昇って回りこむ“神人共食”の空間──出雲大社
第五章 進んで反転する
1 真っ直ぐに進んで反転する──諏訪大社上社
2 真っ直ぐに昇って反転する──パルテノン神殿
3 種子的・生命的世界観
第六章 降りる
1 地底の楽園か人身御供の儀礼の場か──アダーラジの階段井戸
2 降り参道は雷神を誘導するルート──貫前神社
3 海食洞から海中他界へ──鵜戸神宮
コラム2 道教について
3 彼方を視る
第七章 宇宙を仰ぐ
1 “建築家”皇帝のパンテオン
2 天の眼
3 万神殿の総元締めはミトラス教か
第八章 遠い聖地を意識する
1 ヨーロッパで“栄華を誇った”イスラム教──コルドバのメスキータ
2 暗闇のなかに無数のアーチが
3 世界の〈中心〉はただ一つ
第九章 遥拝する
1 ニライカナイと“おとほし”──斎場御嶽
2 そこに建築は必要なかった──久高島へ
3 視線の軸──広島平和記念公園・原爆ドーム
エピローグ──幻の納骨堂
著者関連文献
参考文献
あとがき

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