内容説明
時代背景と精神に迫った画期的入門書
「理性の時代」
その真の相貌を描く
理性による人類の進歩を確信した18世紀ヨーロッパ。啓蒙主義はいかなる変革を社会にもたらしたのか。時代の精神とその背景を追う格好の入門書。
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ヴォルテール、モンテスキュー、ルソーら、18世紀ヨーロッパの思想家たちは、伝統的な宗教教義を離れて人間と自然を理解することにより世界は進歩しうると信じ、知的活動を繰り広げていく。自由な理念が人類を明るい未来へと導くと確信していたその時代、啓蒙主義は本当に社会を変革できたのか、それとも批判した当の社会に吸収されてしまったのか。啓蒙主義に対する近年の批判も含め、「理性の時代」の背景とその精神に多角的な光をあてた画期的入門書。文庫版では、最新の研究動向まで総括する訳者解説と、日本語文献案内を完備する。
【目次】
第1章 啓蒙主義とはなにか
第2章 目標は人間科学
第3章 啓蒙主義の政治学
第4章 理性による宗教改革
第5章 誰が啓蒙主義者か
第6章 統一性か多様性か
第7章 運動か、それとも心性か
第8章 結論――啓蒙主義は重要であったのか
訳者解説
文庫版訳者解説
参考文献/日本語文献案内/文庫版・日本語文献案内
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Hiroshi
8
リベラリズムやアメリカ政治等を読むと、アメリカのリベラルはロック的だと言われている。ロックは社会契約説の結果、自然権として生命・自由・財産が国家から守られるとした。ルソーは人民主権を、モンテスキューは三権分立を唱えた。この差がリベラルの意味に差がでたのだろう。それを確かめたくて啓蒙について本を調べたが、新書にそのような本はない。カントの『啓蒙とは何か』は思想家の思想を比較したものではない。その為本書を手に取ったのだが、大変なことになっていた。フランス革命の後にロマン主義になったのは反啓蒙主義の流れだった。2026/05/07
馬咲
6
表題の訳が思想ではなく「主義」なのは、経験と科学を重視したこの思想の実践志向を強調するため。自然法への執着のようなコスモポリタンな性格を持ちつつも統一的な綱領等は無く、国と地域によって活動の主体や政治へのスタンス、関心領域も様々だったこの思潮の全容の掴みづらさの理由が、時代背景との関連で理解できた。著者は、啓蒙主義が「人間と社会と自然との関係」というテーマを世俗化して教会外部の一般人に解放した歴史的意義を評価しつつも、来たる工業化時代の価値観を代弁し体制に吸収されていった側面にもアクセントを置いている。2026/04/25
うえ
5
「カッシーラーの『啓蒙主義の哲学』は、アダム・スミスやベンサムのようにきわめて強い影響力をもった人物にいっさい触れていない…フーコーやその後のポストモダニズムと結びつくアプローチも同じ」対象的にP・ゲイの研究は理論の代弁者としてではなく、現実に生きる専門的知識人として描いた。が、ディドロやルソーらに焦点を絞りフランス「啓蒙主義者が際立つことになった。おそらく過度に。」ちなみに彼らの百科全書はたいへん高価であり、購入者は低い階級ではなく、皮肉にも専門職階級、体制を支える人々、流行に目がない人々だったという。2026/04/09
ポルターガイスト
3
啓蒙主義といえばフランスと思ってしまうが,実際にはその起源はオランダあたりにあるし,アダム・スミス,ヒューム,カント,ベンサムあたりも啓蒙思想家に数えられることを考えると,想像していた以上に啓蒙主義のヨコの広がりがあることに注意しないといけない。そのことにしっかり意識が向けられるようになった点が収穫だった。2026/05/14
sk
2
短いながらも重厚2026/03/23




