内容説明
「世界で一番先輩が嫌いです」「私も世界で一番嫌いだから」 大学の同好会の後輩・篠宮と先輩・畑野は嫌い合っていた。 同好会の飲み会の翌朝、裸で同じベッドにいた二人は一夜の過ちを犯したことを知り、互いに忘れることを誓う。それぞれが大学生活を過ごす中、畑野は大嫌いな篠宮が芸術一家の落伍者で、そして彼女の破滅的な生き方がそれに起因することを知る。分野は違えど創作者である小説家志望の畑野は「孤独」と「欠落」に共感して篠宮を放っておけなくなり……。これは、二人が不器用に交流を重ねていくうちに惹かれ合い、共に人生を歩む物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
28
嫌い合う大学の文芸同好会の後輩・篠宮と先輩・畑野。同好会の飲み会の翌朝、2人は一夜の過ちを犯したことを知り、互いに忘れることを誓う青春創作小説。文芸サークルで数少ない小説家志望の畑野とオタサーの姫だった篠宮。彼女の破滅的な生き方が芸術一家の落伍者であることに起因することを知り、創作者の1人として篠宮を放っておけなくなる展開で、篠宮も少しずつ前を向いて変わるきっかけを得る一方、言葉が足りずにすれ違いも生まれましたけど、周囲にも助けられながら懸命に伝えようとする畑野と篠宮のかけがえの関係がとても尊かったです。2026/05/30
真白優樹
10
交流サークルと化した文芸同好会に属する、小説家を目指す女と破滅的な生き方をする後輩。嫌い同士の二人が一夜の過ちを犯し始まる物語。―――折れてしまった心を起こせ、同じ目線で与える愛で。 ひたむきに目標を目指す女と、常に姉と比較され挫折した後輩。 創作と挫折に真っ直ぐに向き合い、嫌い同士から始まり少しずつ愛へと変わっていく物語であり、どこか苦くも切ない面白さがある物語である。変わる道へと勇気をもらい背を押され、もう一度歩き出すのは芸術の道。例えこれからが茨の道でもきっと二人なら。 うん、面白かった。2026/05/30
尚侍
8
素晴らしい。構図としては百合物に分類されるのでしょうが、男女の間柄にならないからこそこの物語は成立しているので、同性同士でないと描くことができなかった作品という意味で、サブカル的な百合物として宣伝するのは少し違うのではないかなと感じました。冒頭からかなり飛ばしてくるので最初は戸惑いましたけれど、同性同士の関係性でないとこのシーンの描写はないよなと思わされるところがあるので、萌え優先で描かれる百合物とは一味も二味も違う作品ですね。この構図が受け入れられるかまで含めて、女性読者の感想を聞いてみたいところです。2026/06/17
とってぃー
7
感情表現が素晴らしく最高に良い!オタサーの姫・篠宮と小説家志望の主人公・畑野の一夜の過ちから始まる物語。辟易とした態度から二人が思いを馳せるまで、グラデーション豊かな感情表現に魅せられました。特に、地の文が好きで良い文章だなと感嘆しながら感想を書く私がいます。本作は、創作者として筆を追った側と追いかける側という異なる立場の関係がメインとなります。この関係は一触即発の関係のように見えるでしょう。確かに最初の2人の仲は良いとは言えない。だが、だんだん中和していく2人の関係性がとても心地が良かった。2026/06/01
leo18
5
第一印象最悪同士の大学生ガールズストーリー。この一冊で終わってしまうのが惜しいくらい良かった。2人の環境と心情の変化を丁寧に、ドラマチックに描いていて読み応え抜群。最初の夜は一体どういう流れだったんでしょうね。2026/06/06




