内容説明
ごめんなさいも、ありがとうも、大切な人にこそ言えなかったのは――。恋人に紹介できない家族、会社でのいじめによる対人恐怖、人間関係をリセットしたくなる衝動、わきまえていたはずだった不倫、ずっと側にいると思っていた幼馴染との別れ……。後悔とその先の人生にあたたかな救済をもたらす全5編。デビュー作「カメルーンの青い魚」と同時期に書かれた幻の短編「くろい穴」収録。(解説・奥田真弓)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぼっちゃん
57
文庫で再読。5つの短編種。不倫相手から妻が君の作った渋皮煮を食べたいと言っていると言われ作り、その中に虫食いのものを1つ入れる『くろい穴』が印象的。また幼馴染が死神ばあさんと付き合っていると心配する『先を生くひと』は甘酸っぱさもあり良かった。【2026年新潮文庫の100冊 71冊既読】2026/06/29
涼
46
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2026/07/post-421638.html いずれも心に沁みたが、最後の【先を生くひと】が特に感動的だった。 ここに出てきた澪さんに、自分を重ね合わせながら読んでいることに気づく。「先を行く」ではなく、「先を生く」であることに。2026/07/03
よっち
29
人生に迷いが生じた時、どうすればいいのか分からなくなった時、誰かの存在が助けになる。もつれた心を解きほぐすしていく5つの連作短編集。恋人を家族に紹介できなかった後悔と田舎の親族が集まる葬儀の夜。いじめ・セクハラで会社を辞めた日々で出会った変わった老女。人間関係リセット症候群の看護師が考え直すリセットの意味。不倫関係にある都合のいい女と関係の歪み。幼馴染に恋心を否定された女子高生と老女の出会い。思い込みから抜け出せなくなった迷える主人公たちに手を差し伸べて、導いてくれる優しさが心に染みる温かい短編集でした。2026/06/24
baboocon
16
新潮文庫の100冊2026。どの話も大切な人の喪失(やその予感)が関わってくる5つの短編集。男からのモラハラ気味の恋人関係とか不倫とか、男女間のいざこざ描写が多めで、書き方によっては食傷気味になるのだけど、町田そのこさんの文章は絶妙なバランスでギリギリストレスなく読める。タイトルのようにいなくなっても主人公に前向きな影響を残している。町田さんの作品の中では一番好みかもしれない。2026/07/01
時代
10
町田そのこさんらしい、やんごとなき間柄の人との関係を描いた短編5作。周りはとかかく言うけれど、当事者の思いは別にあるのだな。不倫とかなんとかそう言うの女性が辛い思いをするね。強く生きるとはいろんな意味があり、やりたいようにやりゃいいのかもね△2026/07/12
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