雨が降ったら

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雨が降ったら

  • ISBN:9784591189870

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内容説明

夫の浮気で離婚し、古いアパートで独り暮らしをする初佳、48歳。子ども達は独立し、収入は決して高くない。将来に不安がないわけではないが、自分が選んだものだけに囲まれた生活は思いのほか幸福だ。ある日雨に降られて入った『わかば洋傘店』で、70代すぎと思しきパンクな恰好の女性店主に「雨が降ったら傘をさせ」という言葉と店名が大きく入った傘を貸してもらい――。「これから先」の人生が楽しみになる著者の最高傑作!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

138
この感じは紛れもなく寺地さんの空気。連作短編5話。5人の女性たちが「わかば洋傘店」で繋がる心地よい読後感。綺麗ごとばかりじゃない。特に心の中は(声に出さないだけで)積み重なった怨念にも似た思いや、嵐が吹き荒れたりするのだ。そうだよね、何もない人生なんてないもの。止まない雨はないけれど「雨が降ったら傘をさせばいい」その傘やレインコート、長靴もあったらなお嬉しいな。お菓子のこまどり庵が出てきてちょっとニンマリ。2026/06/16

きょん

45
舞台は大阪の「わかば洋傘店」5人の女性と傘に纏わる連作短編。何気ない日常と等身大の登場人物たち。大袈裟ではない少しの温かさとゆるい繋がりが読んでいてとても心地いい。「生きていたら雨の日だってある」生きるってそういうこと。2026/06/22

sayuri🍀

25
「初佳は傘を洗う」「走れ杏子」「みつほとクリームソーダ」「ソノミーテルミー」「美禰子は遠くへ」5話収録の連作短編集。様々な境遇にある40代女性たちの過去と現在が描かれている。舞台は『わかば洋傘店』。雨をしのぐ傘が、登場人物たちを喪失からも守ってくれているようで、心が和らぐ。人生は子どものころに思い描いた未来とは違っていて「こんなはずじゃなかった」と立ち止まる瞬間もある。彼女たちの迷いや葛藤は誰もが通る道で、だからこそ深く共感できた。想定外の人生を受けとめ、楽しめる自分でありたいと思わせてくれる癒しの一冊。2026/06/08

たっきー

18
わかば洋傘店を中心とした連作短編集。当たり前とされるところから外れる生き方をしてもそれを肯定してもらい、じんわりとパワーを授けられる小説。自分の生きたいように生きて、失敗して気持ちがずぶ濡れになってもそのときには自分の好きな傘をさせばいい。2026/06/16

RRR

18
寺地さんの最新刊。視点を変えてみることで、雨と言うのも案外悪くない。雨が止むということは、いつか人生において、晴れの日があるということ。だから、雨(苦労または不幸)と言う事柄が如何に大切なのか、と言う気づきを得た。 止まない雨はないのである。これは、ささやかな未来が開けるような、そんな人生訓を含んだ連作集である。2026/06/14

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