中公新書<br> 地域と人口減少の経済学 スマート・シュリンクという選択肢

個数:1
紙書籍版価格
¥990
  • 電子書籍
  • Reader

中公新書
地域と人口減少の経済学 スマート・シュリンクという選択肢

  • 著者名:小峰隆夫【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 中央公論新社(2026/05発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121029072

ファイル: /

内容説明

「人口1億人目標」「東京一極集中の是正」「コロナショックで人の流れは変わった」――人口減少と地域問題にはびこる通説・俗説や、問題含みの地方創生政策を著名エコノミストが覆す。人口が減ってもウェルビーイングを損なわないための処方箋として、スマート・シュリンク(賢く縮む戦略)を提唱。行動経済学やマーケットデザイン等の理論、豊富な経年データにもとづき、多くの地域で応用できる「共有型」モデルを打ち出す。

はじめに 人口・地域問題を経済学で解決する

第1章 人口変化の姿とコロナショック

1日本の人口構造の変化
「確かな未来」の「確かな変化」の「確かな課題」/日本全体の人口構造の変化/外国人の流入をどう考えるか
2人口オーナスがもたらす諸課題
人口オーナスとは何か/ますます高まる度合い/人手不足、社会保障などの諸課題
3コロナで厳しさを増す人口の姿
コロナショック後の人口動態/衰える結婚・出産意欲、低下する希望出生率

第2章 地域から見た人口構造の変化

1地域間の人口移動を考える
社会増減の重要性/地域間人口移動の姿
2地域の人口展望
将来人口の姿/前回の人口推計との比較/「率」で見た高齢化、「数」で見た高齢化/老いる都市の課題
3二つの悪循環
人口オーナスによる悪循環/人口規模を介した悪循環

第3章 地方創生政策の検証
 
1戦後の地域政策の流れと地方創生
全国総合開発計画の歩みと変質/薄れる国土計画への関心/難しかった東京一極集中是正/小泉構造改革は何を目指していたのか/消滅自治体論の登場/消滅自治体論の四つの問題点
2人口1億人目標について考える
地方創生と人口1億人目標/人口1億人とはどういうことか/人口1億人目標に意味はあるのか/2・07の達成は不可能
3「地方創生1・0」の批判的検討
地方創生の手順/少子化対策と地方創生のデカップリング

第4章 東京一極集中は是正すべきか

1一極集中という診断は正しいか
多層的集中という診断/「足による投票」という考え方/人はなぜ集まるのか/政策目標としての東京一極集中是正
2一極集中の是正は少子化対策になるのか
東京一極集中と少子化対策/東京都の出生率は見かけほど低くない
/注目すべき東京のマッチング機能/簡単な数量的チェック
3コロナ危機は変化をもたらしたのか
流出超に転じた東京都の人口/東京圏外への人口移動につながる3ステップ/コロナショックとテレワークの普及/対面型への回帰/もう一度東京一極集中是正を考える

第5章 地域政策のイノベーション

1求められる地域政策とは
国主導型からの脱却/「規範型」から「共感型」のプロセスへ/分散から集中へ/ソーシャル・キャピタルで伸びる地域を伸ばす/逆方向だった地域政策
2共有型の地域活性化方策
地域政策の二つのタイプ/劇場型と共有型の四つの違い/経済学から生まれた共有型の政策/行動経済学が実証したバイアス/ナッジという智恵/フューチャー・デザインと住民参加/岩手県矢巾町の例/マーケットデザイン
3スマート・シュリンクの時代へ
スマート・シュリンクの考え方/人口が減っても経済が縮むとは限らない/人口減少と地域経済
4スマート・シュリンクの実践
岡山県美咲町の例/政府が進める地域のスマート・シュリンク/自由な人の移動を通じて/自由な人の移動は、地域問題の解決に資する/地方部のアンコンシャス・バイアス

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

65
著者は経済企画庁、国土交通省で国土計画に携わったあと大学で研究者となっており、政策担当者として極めて現実主義的な視点で少子高齢化の日本の進路を見つめている。また、経済学の視点から少子化と地域経済について考察、従来の政策の立脚点に問題があると指摘する。その上で、経済的手法を実装することで様々な対応ができるとし、特にスマート・シュリンクという「人口が減っても人々のウェルビーイングを高めていく」手法を具体例を挙げて紹介しながら、安易な一極集中解体ではなく、人口減の地方においても人々の生活を維持することを目指す。2026/06/01

よっち

24
繰り返されてきたスローガンが、ほとんど効果を上げていない現実を元経済企画庁官僚が解説する1冊。日本全体の人口構造の変化や生産人口の増加に寄与している外国人流入をどう考えるか、人口オーナスがもたらす諸課題、社会増減の重要性や地域間の人口移動。難しかった東京一極集中是正、消滅自治体論の4つの問題点。一極集中の是正は少子化対策になるのか、地域政策の劇場型と共有型の四つの違いと事例。人口減でも経済が縮むとは限らないスマート・シュリンクの考え方など、縮小を最適化する戦略へシフトする重要性を解説の中に強く感じました。2026/06/14

とも

21
日本の人口減少と地域政策についての一冊。 人口の移り変わり、人口オーナス、コロナによる追い打ち、東京一極集中の是非、これからの地域政策など。そして「3000万人時代」を見据えたスマートシュリンク社会の提言。 データは豊富で視点も鋭く、質の高い講義を聞いているようで大変面白かった。 本書に書かれているのは、確実に訪れる少し先の日本の形。当事者となる若い人ほど読んだほうがいい一冊。2026/06/12

まゆまゆ

11
確実に訪れる人口減少社会に対して地方はどうすべきかを語る内容。これまでの地方創生がうまくいったのは劇場型で一部の自治体のみ。普遍的な策があるとすれば、人口が減ってもこれまで以上にウェルビーイングを保って暮らせる地域であるべきであり、賢く縮んていくスマート・シュリンクを目指していく必要がある、と。2026/06/22

よこしばやまと

6
地域と人口減少の実態を、データとともに冷静に捉え、これまでの国の国土政策の歴史を踏まえ、「地方創生1.0」の問題点を論じる。そして、「スマート・シュリンク」を主張する。非常に冷静かつ、確かな日本の現状認識をされており、出生率を高める「緩和政策」の方向に無理があるという意見には強く同意する。また、人口減少や東京一極集中が解決すべきものか、という問いも本質的かつ我々をある意味の「呪い」から解放する論に思う。いかにスマート・シュリンクを実現するか、末章をより深く論じてほしい。2026/06/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/23320363
  • ご注意事項

最近チェックした商品