内容説明
「佐藤君が鈴木君に告白したらしい」という噂が学校中に瞬く間に広まった。佐藤に片想いしているひなのは、佐藤を振った鈴木や、いじめとしては処罰されない程度に悪意のある嫌がらせを行う男子たちのことが許せず、佐藤を守れる屈強なゴリラになりたいと願う。鈴木の担任は、学生時代いじめられていたトラウマから生徒に好かれる先生を演じていたが、この問題の対応を迫られる。佐藤の母は息子が男を好きになったのは、夫のDVが原因で離婚した家庭環境のせいではと思い悩む。ある男子生徒から男子生徒への「告白」が、学校の中に次々と波紋を描く2025年ノベル大賞〈大賞〉受賞作。おかしくて愛おしくてせつない青春群像劇。
目次
一章 ひなのの告白
二章 オカジュンセンセイの告白
三章 母の告白
四章 鈴木の告白
エピローグ ひなののトーク
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
24
夏休み明け、佐藤が鈴木に告白したらしいという噂が学校中に瞬く間に広まり、学校という世界の中に次々と波紋を描いていく青春群像劇。密かに佐藤に片想いしていて悪意のある嫌がらせを行う男子たちのことが許せないひなの。生徒に好かれる先生を演じていたのに対応に迫られる担任。学校からの呼び出しを受けて思い悩む佐藤の母。そして鈴木の回想から明らかになる告白の真相。それぞれの葛藤を浮き彫りにしながら、ひとりひとりの勇気が少しずつ事態を変えていって、遠回りしながらも目をそらさずに向き合った2人の結末はなかなか良かったですね。2026/05/18
栗山いなり
10
中学という一つの空間にいる人々を描いた群像劇。BL要素が苦手だから身構えてたんだけど、実際読んでみたら確かにBL要素はあったがそれよりも中学という一つの場所に関わる色々な立場の人達のあれこれが妙に刺さる、そんな物語だった2026/06/09
leo18
5
男子同士の告白から始まる青春群像劇。テーマやそれぞれの立場から描いたエピソードは興味深く読めたが、そこからのオチというかそれからどうするの?というもうひと掘りが欲しかった気がするな。2026/06/20
OjohmbonX
3
男子生徒同士の告白をアウティングされた中学生の周囲の、生徒や教師や親と視点を変えながらそれぞれの事情や内面が浮かび上がる小説。背景やエピソードのディテールの積み重ねが丁寧で面白かった。散々こすられるフリーザーバックも笑った。BLとして消費されることへの拒否が作中で描かれていながら、本作がBL的な雰囲気をまとうのは、性的欲望や見栄、嫉妬、それらによる醜悪な行動が捨象されて、作中人物に好感を抱きやすいこの綺麗さにあるとしても、それは本作の瑕疵ではない。2026/06/25
白米
3
インスタで、表紙のイラストレーターさんの投稿を見て、面白そう!と思い即購入。今増えてるBL風の話かな〜くらいに軽く読み始めたのですが、思った以上に深い。そしてラストのどんでん返し。久しぶりに、名作の掘り出し物に出会えた感動。 第2章の辻岡先生へのオカジュン先生の嫌悪感はわかる!と膝をたたきたくなった。自分も学生時代オカジュン先生側だったので、こういうのされた方はずっと忘れないですからね。 とにかく、初読み作家さんで、たまたまこの本出会えた感動をシェアしたいです。2026/05/27




