ちくま新書<br> 科学否定論はなぜ人をひきつけるのか ――地球平面説から反ワクチンまで

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ちくま新書
科学否定論はなぜ人をひきつけるのか ――地球平面説から反ワクチンまで

  • 著者名:松村一志【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 筑摩書房(2026/06発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480077523

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内容説明

「地球は平らだ」と言う人を説得できますか?

地球平面説、気候変動否定論、ホロコースト否定論、反ワクチン運動など、科学や歴史の通説を真っ向から退け、専門家を疑う陰謀論が世界中に広がっている。「真理」や「正しさ」を下支えする制度を根底から突き崩す科学否定論。荒唐無稽に思えるが、その主張には「エビデンス」があり、反駁するのは意外にも難しい。真実を求める人々がなぜ否定論にのめり込んでしまうのか。現代社会に渦巻く不安や不信感の正体とは何か。その背景を読み解き、いま大きく揺らぐ私たちの知の土台を考える。

?「真実」を求める人ほどハマりやすい
?陰謀論にも数値やデータなどの「エビデンス」がある
?荒唐無稽にみえても反駁するのはかなり難しい
?陰謀論にも「正しい」ものがある

===
【目次】
はじめに
富士山は日本で一番高い山?/科学はなぜ陰謀論の問題になるのか/本書の内容

序章 「真実」を求める社会
地球平面説という謎/ポストトゥルースの時代?/科学否定論とは何か/武器としての陰謀論/「エビデンス」が問われるとき/データベース化する社会/専門家をうまく疑う/方法としての相対主義――科学知識の社会学

第一章 生き残る地球平面説
二一世紀の大航海/コロンブス神話/地球平面説の再発明/ロウボサムの子どもたち/異端な「知」のバトン/オンライン化する「啓蒙」/平らな大地と歪んだ社会/地球が球体でないことの一〇〇の証明/専門家の証言vs.自分の経験/「民主的」なコミュニティ

第二章 科学否定論とは何か
「科学否定論」という新語/疑似科学としての「科学否定論」/論破のテクニック/四つの事例/①創造論――「進化論は正しくない」/②ホロコースト否定論――「ホロコーストは存在しない」/③タバコ戦略――「タバコは有害ではない」/④反ワクチン運動――「ワクチンは安全ではない」/通説はなぜ否定されるのか/批判と否定――ジャーナル共同体の内と外/マスメディアと「偽の等価性」/近代社会のジレンマ

第三章 科学と疑似科学のあいだ
科学否定の心理学/単純な二分法を超えて/創造科学裁判――「科学」を賭けた判決/ラウダンの反論――「科学」は定義できない/ルースの再反論――それでも「非科学」は存在する/科学と非科学の線引き問題/線引き問題の逝去/マッキンタイアの「科学的態度」/疑似科学の哲学/新しい回答方針/「科学否定論」を定義する/線引き問題の社会化――「本物の科学」と「フェイク科学」/システムとしての科学/残された問題――「正しい陰謀論」を考える

第四章 陰謀論の何が問題か
クライメートゲート事件/地球温暖化の発見/気候変動否定論――「気候変動は人間のせいではない」/合意を証明する/鏡の中の陰謀論/陰謀論と社会科学――もう一つの線引き問題/陰謀論の哲学/陰謀論とは何か/社会学的想像力は陰謀論でないのか/意図とメカニズム/科学社会学と無知学――二つの選択/科学否定論から反科学政策へ

第五章 エビデンスと陰謀論
「エビデンス」とは何か/エビデンスの序列化/分裂する「エビデンス」/専門家からデータベースへ/「マスクの効果」騒動――コクラン・レビュー/方法論的フェティシズム――RCT至上主義/客観性と「訓練された判断」/初心者と二人の専門家問題/顔の見える専門家/信頼と不信のあいだ/エビデンスと陰謀の証拠/陰謀論にとって「証拠」とは何か/認識論的権威――背中合わせの証拠と信頼/疑似科学と陰謀論の組み合わせ

終章 内なる否定論と向き合う
通説とは何か/論争中と論争後/陰謀を発見する/抗議運動としての否定/データベースと情報の民主化/反権威主義のユートピア/内なる否定論と向き合うには


あとがき
参考文献
図版出典一覧
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目次

はじめに/富士山は日本で一番高い山?/科学はなぜ陰謀論の問題になるのか/本書の内容/序章 「真実」を求める社会/地球平面説という謎/ポストトゥルースの時代?/科学否定論とは何か/武器としての陰謀論/「エビデンス」が問われるとき/データベース化する社会/専門家をうまく疑う/方法としての相対主義──科学知識の社会学/第一章 生き残る地球平面説/二一世紀の大航海/コロンブス神話/地球平面説の再発明/ロウボサムの子どもたち/異端な「知」のバトン/オンライン化する「啓蒙」/平らな大地と歪んだ社会/地球が球体でないことの一〇〇の証明/専門家の証言vs.自分の経験/「民主的」なコミュニティ/第二章 科学否定論とは何か/「科学否定論」という新語/疑似科学としての「科学否定論」/論破のテクニック/四つの事例/(1)創造論──「進化論は正しくない」/(2)ホロコースト否定論──「ホロコーストは存在しない」/(3)タバコ戦略──「タバコは有害ではない」/(4)反ワクチン運動──「ワクチンは安全ではない」/通説はなぜ否定されるのか/批判と否定──ジャーナル共同体の内と外/マスメディアと「偽の等価性」/近代社会のジレンマ/第三章 科学と疑似科学のあいだ/科学否定の心理学/単純な二分法を超えて/創造科学裁判──「科学」を賭けた判決/ラウダンの反論──「科学」は定義できない/ルースの再反論──それでも「非科学」は存在する/科学と非科学の線引き問題/線引き問題の逝去/マッキンタイアの「科学的態度」/疑似科学の哲学/新しい回答方針/「科学否定論」を定義する/線引き問題の社会化──「本物の科学」と「フェイク科学」/システムとしての科学/残された問題──「正しい陰謀論」を考える/第四章 陰謀論の何が問題か/クライメートゲート事件/地球温暖化の発見/気候変動否定論──「気候変動は人間のせいではない」/合意を証明する/鏡の中の陰謀論/陰謀論と社会科学──もう一つの線引き問題/陰謀論の哲学/陰謀論とは何か/社会学的想像力は陰謀論でないのか/意図とメカニズム/科学社会学と無知学──二つの選択/科学否定論から反科学政策へ/第五章 エビデンスと陰謀論/「エビデンス」とは何か/エビデンスの序列化/分裂する「エビデンス」/専門家からデータベースへ/「マスクの効果」騒動──コクラン・レビュー/方法論的フェティシズム──RCT至上主義/客観性と「訓練された判断」/初心者と二人の専門家問題/顔の見える専門家/信頼と不信のあいだ/エビデンスと陰謀の証拠/陰謀論にとって「証拠」とは何か/認識論的権威──背中合わせの証拠と信頼/疑似科学と陰謀論の組み合わせ/終章 内なる否定論と向き合う/通説とは何か/論争中と論争後/陰謀を発見する/抗議運動としての否定/データベースと情報の民主化/反権威主義のユートピア/内なる否定論と向き合うには/注/あとがき/参考文献/図版出典一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

25
地球平面説、気候変動否定論、ホロコースト否定論、反ワクチン運動など、荒唐無稽に思える科学否定論が、なぜ今も支持を集めるのかを社会学・科学論の視点で丁寧に解き明かす1冊。科学否定論にはエビデンスがあり、反駁は意外にも難しい背景や、信念が強化される逆効果のループ、現代社会の信頼の危機と知的好奇心の歪みが背景、感情を増幅するSNSのアルゴリズムが専門家不信を加速させていく構造も分析しながら、必要なのは完璧な検証力ではなく、立ち止まる慎重さと信頼を再構築する社会設計ではないかとする結論には頷けるものがありました。2026/07/09

buuupuuu

23
科学的知識の社会学や科学哲学を援用しながら科学否定論について考える。科学的知識は、民主的要素と認識的権威の2つによって支えられている。専門家の権威は、技能の習得や規範の内面化、制度を通じた認定といったものに寄っている。しかし現代のメディア環境は、必ずしもこのような権威を伝えるようなものになっていない。その結果、科学の通説や専門家への不信が蔓延することになる。陰謀論はこの傾向を助長する。また私たちは科学的な議論についてやや単純化した見方をしている。エビデンスの評価というもの自体が専門的実践である。2026/07/06

ドラマチックガス

14
とても面白いけれど、看板にはやや偽りあり、か。なぜ人をひきつけるのかの理由は明示されていない気がする。かわりに書かれているのは科学とはなにか、事実とはなにかに関する重厚な議論。どちらかというと、否定論にハマってしまう人よりも、否定論を笑っている人たちに「ところであなたがたは科学否定論をバカにするけれど、そもそも科学を否定するってなに? あなたが思っている正しい科学ってなに?」という問いを突きつける本であったように思う。つまり、僕みたいな人間が読んでおくべき本だった。つまり、読めてよかった。2026/08/11

Ex libris 毒餃子

13
科学社会学っぽいところがある。「科学的」の定義をキチンとあげていて良かった。まあ、主婦がインターネットを見てわかるような陰謀って陰謀って言えないだろ、はわかる。2026/07/12

CTC

8
6月のちくま新書新刊。著者は阪大院准教授で専門は社会学・科学論。疑似科学と陰謀論を合わせたものが“科学否定論”だ。ネットやデバイスの発達で多種多様な情報に万人がアクセスできるようになった。一方で科学は専門の科学者が行うものだから一般人からは見えにくい。「演繹と帰納、仮説演繹法、理論と観察、反証可能性、実験…」これら科学の基本的手法からなる“科学的思考”が苦手な人も多かろう。そこに“バカ発見器”的エンタメが生じ、私などは惹きつけられてしまうのだが、自分だって事実はどうなのか判らないことだらけ。2026/07/19

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