内容説明
くるおしいほどリアルな青春失踪劇&受賞第一作
「セリフが決して言葉の意味通りではないというところに達している」……岩松了
「とんでもなく耳がよくてすごい。今の日本語を山盛り掬い取って舞台上にどさっとばらまいてそれをぴちぴち跳ねさせている」……岡田利規
「テキトウさが可笑しく、リアルさが痛い」……ケラリーノ・サンドロヴィッチ
「現代の「狂」ないし「妄」を描き切っている。そのことで作品に「力」が感じられた。そのくせ、書きっぷりは、肩の力が抜けている」……野田秀樹
「売れない芸人が少しずつ精神に異常をきたしていく描写が秀逸」……本谷有希子
「その構成力、物語の構築力は質が高く、エンターテイメントとしても読みごたえのある作品」……矢内原美邦(選評より)
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なんか、くるおしい。──心のバランスを崩した友人に寄りそう若者たちの「青春失踪劇」が、第67回岸田國士戯曲賞受賞作品。
怖いほどに、巧み。──もつれた夫婦関係のタイムラインをたぐりよせる「受賞第一作」を同時収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
allite510@Lamb & Wool
15
2023年岸田戯曲賞受賞作。いたって普通のリアルな会話が、非常に居心地悪くていたたまれない。精神的に壊れていく売れない芸人と友人たちの関係を描く受賞作と、どん詰まりの不倫夫婦を描く戯曲2本。同意している体で慎重に同意を回避していたり、むしろしれっと無関心や悪意を投げつけていたりとか、普通の会話に潜むイヤな感じを抽出する手つきは見事。カタルシスが意外な方向からあっちの方に降りてくるような終幕も、嫌な会話の応酬から解放されると思うからか、微かに爽快さすらあるようなないような。2023/07/21
ふう
7
劇団た組・加藤拓也の第67回岸田國士戯曲賞受賞作。ゆっくり確実に”普通”でなくなっていく芸人の夏目と彼を取り巻く人々(読後ハウス加賀谷を思った)。友人知人のみならず社会との距離が確実に開いていく残酷さにどんよりした気持ちになったことは事実だったが、彼もドードーのように消えてしまうかはわからない。飛べない鳥でも羽ばたけると信じたい(受賞第一作「綿子はもつれる」はまだ未読…2026/01/05
法水
4
第67回岸田國士戯曲賞受賞作と現在公演中の新作『綿子はもつれる』を収録。加藤さんは会話、特に追い詰められたり弱り切ったりしている人たちの会話を書くのがうまい。ただ、『綿子はもつれる』は鑑賞後に読んだけど、ラストのト書きの内容は観ている人には伝わっていたんだろうか……。2023/05/21
nightowl
3
多忙と生活苦で学生時代に続き精神を再び崩壊させるお笑い芸人「ドードーは落下する」、子連れ略奪婚夫婦。夫は前の相手とよりを戻そうとし、妻は不倫に走る。気まずい会話劇「綿子はもつれる」。「ザ・ウェルキン」「友達(安部公房)」演出や「いつぞやは」なども含め、どこか家庭を作ることへの恐怖がある演劇人。作家としては、間の抜けた現代会話のようで薄ら寒い居心地の悪さを感じるのが特徴。夫婦やカップル間の会話はどこか手癖で創られている気がするので、そことは異なる持ち味を出せば化けそう。2023/11/01
ミキ
1
2024-93:第六十七回岸田國士戯曲賞受賞作。表題作は精神が壊れていく人の様がリアルだった。「綿子はもつれる」の方が好きだった。最後は世にも奇妙な物語を見た後、のような読後感だった。2024/09/06




