内容説明
サラリーマンの聖地、新橋のランドマークである新橋駅前ビルとニュー新橋ビルには、東京のど真ん中で昭和の懐かしさを色濃く残すディープな飲食店、小売店、マッサージ店がひしめき合う。しかし、駅前再開発計画が進められており、これらを楽しむ時間はそれほど多くは残されていない。ビルで働く人々の証言を多数の写真と共に伝える異色の探訪記であり、東京最後の秘境の記録。 解説 平松洋子
目次
はじめに/第一章 マーケットの路地裏が遊び場だった/闇市にルーツを持つ二つのビル/金持ちと貧乏人の差がなかった時代/キャバレー〈ハリウッド〉の看板が輝いていた/『およげ! たいやきくん』で借金返済/郷愁のオムライス/第二章 妖しい中国系マッサージ街の謎/名物となったアジアな光景/なぜ中国系マッサージが乱立したのか/都心のエアポケット/ストッキングを穿いたサラリーマン/名前を教えてくれない呼び込み嬢/第三章 “裏新橋”の入り口に立つ/ビルの地下にある裏路地/図書館司書だった立ち み屋のママ/裏には裏の顔がある/ディープな新橋を体現するバー/地下街は平和な長屋になった/第四章 カプセルホテルに暮らす演歌師のブルース/北島三郎が渋谷で流していた時代/新橋ほどの天国はない/十八番は『悦楽のブルース』/新橋最後のギター弾き/寝床は一泊四千六百円/第五章 ピンクの部屋に棲む蜥蜴/新橋は今も魔都なのか/風俗店の受付になぜか蜥蜴が/店長よりも長く在籍するヘルス嬢/湿度の高いピンクの空間/第六章 駅のホームを見下ろす部屋で/Gショックをはめた元官房長官/新橋芸者の時代を生きた名物女将/華やかな衣装で埋め尽くされたワンルーム/住居階からの眺め/第七章 生卵をかっ込みながら頭を刈る/バーバーに職人がいた最後の時代/日に焼けたリーゼントの理容師/ドライヤーのない理容店/年の瀬に鍋を仕込む/第八章 スナックは魔の巣か団欒か/裏通りのスタジオで変身する/四十年前から変わらないスナック/新幹線で週六日通う常連/「早く壊してほしい」とママは言った/第九章 汐留再開発が支えた幸福の味/名店〈ビーフン東〉の来歴/政治家だって特別扱いしない/店の壁に刻まれた年輪/第十章 浮世と現実を昇り降り/SL広場の大盤将棋/麻雀に興じた団塊の世代/麻雀のペーソスを伝えるために/金券ショップのルーツ/いかにして金券で儲けるのか/第十一章 水槽に映るファミリービジネス/ブローカーが集う喫茶店/八十七歳で店に立つ母親/笑わないマスターの写真/家族の中心にはいつも店があった/第十二章 二つのビルとチベットを行き来して/自宅の玄関よりも狭い店/騙されても恨まない/夫のチベット行脚に同行する/着物姿で自転車通勤する女将/第十三章 これから新橋はどこへ行く/ビルの一角で進んだ鮨屋の変遷/このビルは家のようなもの/新橋駅前再開発の現状/新橋で働く人々のオアシス/日常と土地の記憶/あとがきにかえて/文庫版あとがき/解説 平松洋子
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