内容説明
幽霊の清太、幾度も登場するドロップ缶、節子を笑顔にした蛍のまばゆい光。映画オリジナルの「仕掛け」と制作秘話から、巨匠が遺した想いに迫る。「これは反戦映画ではありません」――高畑勲監督は生前なぜこう言い続けたのか? NHKディレクターが世界的ヒットとなった映画を丹念に取材した、心揺さぶるドキュメント。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
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昨年ETV特集で放映された『火垂るの墓と高畑勲と7冊のノート』の書籍化。放映後に新たにわかった新事実を追記している。採用されなかった深沢一夫による幻の脚本、制作遅延で公開が危ぶまれ、やむなく一部線画のまま公開に踏み切った公開版フィルムの発見等がそれだが、本書の最大の読みどころはETV特集がそうだったように、清太Fと呼ばれる清太の幽霊の存在理由に迫る考察だろう。野坂昭如の原作にはない清太の幽霊をなぜ高畑勲は登場させたのか。それを高畑の自宅に遺されていた7冊の構想ノートから読み解く。(つづく)2026/07/09
芋川若冲
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2025年に放送されたNHKのETV特集「火垂るの墓と高畑勲と7冊のノート」を書籍化したものだ。60分の番組の性質上、この取材を全て反映することはできない。番組自体をリアルタイムで見た自分にとって、行間を埋めてくれ、そしてなにより火垂る墓というアニメーションを考え直す一冊となった。これまで火垂る墓の絵コンテや制作陣のエッセイなどで制作過程や意図はある程度判明しているが、監督である高畑の構想ノートたちはその当時の資料であり、当時性のある歴史の再構成が可能である。2026/07/04




