内容説明
楠谷佑のペンネームで活動する僕ら合作推理作家の、次の新作は山奥の寒村を舞台にした本格ミステリになる予定だ。しかし真舟のプロットは仕上がったものの、執筆担当の僕の作業が捗らない。田舎の村に行ったことがないからだ。だったら、と大学の友人に勧められ、旅館を営む彼の実家がある宵待村に、僕と真舟は旅行に出掛けたが、そこで本物の事件に巻き込まれることになるとは、僕たちはまったく想像していなかった。案山子だらけの宵待村で、案山子に毒の矢が射込まれ、別の案山子が消失し、ついに殺人事件が勃発する。現場はいわゆる雪の密室の様相を呈していた。推理作家の大学生コンビ、篠倉真舟と宇月理久が謎解きに挑む。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
24
不穏な案山子だらけの宵待村で起きた殺人事件。合作推理作家で執筆担当・宇月理久とプロット担当の篠倉真舟の大学生コンビが事件に挑むミステリ。村の因習、蔵元の確執、案山子の民俗信仰といった不穏な雰囲気を感じさせる山奥の村で、雪の朝に足跡のない密室殺人が起き、それを合作推理作作家の従兄弟が、いかにして犯行が行われたのか、論理と手がかりからお互いに推理を積み重ねて真相に迫る展開で、序盤がやや冗長だった感はありましたけど、ヒントは全て文中にある公平な謎解きで、主人公2人が解き明かす王道の推理劇は読み応えがありました。2026/07/08
huraki
8
合作推理作家の理久と真舟は次回作の取材のため訪れた宵待村で起きた殺人事件に巻き込まれる。様々な場所に案山子が飾られる村で起きた悲劇。消失し、移動した案山子に雪の密室で犯行に及んだ人物は誰なのか?二度の挑戦状を挟んで明かされる真相に驚かされた。2026/08/01
No-Taka
7
ド直球な探偵バディもので、雪の山荘……ではないが雪に閉ざされた寒村が舞台。王道、典型的と言われる作品は意外と綺麗に纏めるのが難しく、途中で変な捻りを加えて着地で捻挫するものも多いが、本作は最初から最後まで良い意味で普通に楽しめた。割とリアリティラインを重視しているのか、事件後も携帯は普通に通じるし警察も苦労してやってくるので、クローズドサークルとまでは言い切れず緊迫感はやや不足。とはいえメンタル追い込みが苦手な人もいるので、万人受けという意味では良い面も。全面的にクセが強くないので気軽に読める。満足。2026/07/13
Urmnaf
5
従兄弟同士の学生作家コンビが友人の実家の旅館に取材旅行。そこは案山子を信仰する山間の村。以前、その村で亡くなった旅行者を弔うための案山子が消えていることに端を発し、不可思議な殺人が起きる。途中に読者への挑戦が挟まれる、古式ゆかしい作法に則った本格ミステリ。見事なフーダニット。登場人物の立ち居振る舞いとか出てくるガジェットはとても現代なんだけど、意外に合うもんだ。舞台のタテツケから横溝正史風おどろおどろかと思いきや、そこはあっさり。スマホだ、インターネットだって時代に呪いや祟りは無理筋なんでしょうかね。2026/07/30
agtk
3
読者への挑戦状が二つもついたお得?な本格ミステリ。結構ボリュームはあるが、文体が読みやすく、すいすい読める。読みながら頭のなかで、ある俳優でもあり歌手でもある人に丹羽さん役を演じてもらっていたのは内緒。2026/08/11
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