内容説明
友達もいない、恋人もいない、将来の希望なんてもっとない。
貧困にあえぐ苦学生の真央が出会ったのは、かつて栄華を誇った山戸家の生き残り・四葉。
「ちゃんとした人にはたった一回の失敗も許されないなんて、そんなのおかしい」
彼女に託された一つの宝石箱が、真央の人生を変えていく。
今度の柚木麻子は何か違う。
これがシスターフッドの新しい現在地!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
もえ
45
奨学金で大学に通う真央は、バイト先のスーパーで試食販売をする「おばさん」の山戸四葉と出会い人生が変わっていく。紅茶とスコーン、きゅうりのサンドイッチ、キラキラの宝石…四葉さんが教えてくれた魔法のような世界に真央が魅了されていく第一章が一番好きだ。真央、実亜子、舞と章ごとに視点が変わり、山戸一族の華やかな歴史と没落、若者の貧困問題や、同姓愛や性被害などが描かれていく。四葉と、祖母みつば、母一葉の個性あふれる三世代の女性たちも魅力的だ。読み終えるのに少々時間がかかってしまったが、目が覚めるようなラストに満足。2026/10/21
エドワード
39
奨学金で大学に通い、スーパーでアルバイトをする宮元真央は、試食販売の山戸四葉と親しくなり、彼女の住居や生活、特に食文化の豊かさに驚く。四葉の実家、山戸家は横浜の名家だった。90年代から語られる激動の30年。四葉の祖父・幸太郎、祖母・三葉、母・一葉、名門女子校の同級生・紳士服店の郷田実亜子、画家の壁山純之助ら、横浜の繁栄の中にいた人々は、ある事件で地位を失う。反目し、助け合い、生きていく女性たち。その象徴が四葉の宝石箱だ。オール・ノットは真珠のネックレスの名称だ。真央に譲られる宝石箱。話はまだ終わらないよ。2026/06/06
イズミ
30
オシャレな街横浜を舞台にした真央と四葉のシスターフッド小説であり、若者の貧困や性被害など社会問題への怒りが込められた作品でもある。 奨学金返済や実家の没落で苦難な生活を送りながら逞しく生きる女性たち。誰かを幸せにする為に、何かをあげるだけではなく手を取り合うこと。「幸福な王子」を喩えに現代版の幸福とは何か考え、未来に希望を灯す力強いメッセージ。2026/07/04
imakiraku
29
オール・ノット : パールとパールの間に結び目が入っており、万が一切れてもバラバラにならないネックレス。 ネックレスを通して三世代の女性たちの人生が繋がっていく物語。シスターフッド小説と帯に書かれていたが、個人的には現代社会の生きづらさや法制度の歪みにも目を向けた作品だと感じた。タイトルに込められた「All Knot」と「All Not」の意味が印象的だった。 思っていたよりずっと重い小説でした。2026/06/21
あんこ
26
単行本に続き再読。発売当初はただ手放しに「なんて良い話だったんだ」と思っていたけど、四章と五章は現代と近未来の現実を突きつけられているようで、目を背けたくなったというのが本音。親が最悪でも、制度が整っていなくても、私たちは友達と呼べる人たちと逞しく生きていくしかない。 それはそうと、推し活という言葉の使い方と同じくらい、昨今のシスターフッドの使い方がどうももやもやするので、あまり小説をカテゴライズしてほしくないなと帯を見て思った。2026/06/14




