内容説明
野花つぐみは、実家の本棚からお菓子レシピの隠された『小公女』の古書を見つける。それは不思議な老女・メアリさんの遺品だった。どうやら彼女はこの街の様々な人に本を届けていたらしい。「ぶどうパン」「トライフル」「女王様のタルト」……つぐみの本探しと菓子作りはやがて、簡単にやり直せない過去を抱え傷ついた人々との優しい縁を結び始める――。お菓子と優しさに満ちた6つの連作集。(解説・嵯峨景子)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
24
契約社員の野花つぐみが帰省した実家で見つけた、お菓子レシピが隠された古書。それが簡単にやり直せない過去を抱えた人々との優しい縁を結び始める連作短編集。つぐみの実家が経営するホテルに住み、行旅死亡人となってしまった不思議な老女メアリさんと、あちこちで見つかる遺品の本、挟まれていたレシピたち。本を通じた出会いと物語にちなんだレシピのお菓子作りが紡いでゆく縁があって、出会った人々の抱えていたわだかまりを解きほぐしてゆくとともに、つぐみ自身も様々な繋がりを見出して、自分の進むべき道を見定めてゆく素敵な物語でした。2026/05/28
遙
10
身元も知れず突然死してしまったメアリさん。誰も彼女の素性は知らないけれど、ピンクのかわいらしいミニブタのムシャムシャと、数冊の古書を残していったらしい。 どの本にも、その物語に因んだお菓子のレシピが挟まっていて・・・ 映像化したら素敵な作品なのではと想像しながら読みました。 物語の中のお菓子を再現するというのはとてもロマンティック。 メアリさんの伝えたかった事とは・・・ 好きな作品には大体美味しそうな食べ物がでてくるという方はより楽しめる、優しい気持ちになれる一冊でした。2026/06/29
さおり802
7
素敵なお話だった。格差社会でも貧困層でも、自身をしっかり持って流されないで生きていくのが重要だよね。あんまり、深くがんがえないでも幸せになれるって感じ。いつまでも読んでいたいお話だった。2026/07/12
RRR
5
何気に惹かれた作品。町田メアリという謎めいた老婆が突如亡くなり、そこから展開されてゆく人情ドラマに僕はしばし夢心地に。物語の中のお菓子を作って食べる、深いなと思いました。読書家なら、一度は挑戦したい事柄だけに、まさにお腹も満たされると言う。ラスト一行までじっくり味わい、深い余韻に浸りました。2026/06/06
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