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内容説明
「私の謎」は「人類の謎」につながる――左翼だった父、戦後文学者たちとの出会い、くじ引きで決まったアメリカ滞在、建築から哲学までに至る世界的知識人との交流、ある日突然「やってきた」交換様式論……現代日本の批評・思想を代表する哲学者の人生を彩るさまざまな出来事を振り返る。 メモワールにして柄谷思想への最良の入門書。朝日新聞好評連載を大幅増補のうえ書籍化!
「このインタビューを読み返すと、驚きと感慨を禁じ得ない。自分がこれまでたどってきた道が、偶然の連続であったことに思いいたるからである。そのなかにいるときには気づかなかったが、振り返ってみたとき、人生を決めるのは偶然であるとすら思えてくる。 私は、小学校に入ってから二年間、教室で口をきかなかった。そのような引っ込み思案な人間が、偶然の出会いが重なるなかで、自然と、日本のみならず外国でまで、著作を発表したり教えたりするようになっていったのだ。それは、努力したり目指したりして、実現したことではなかった。いわば、「向こうから来た」ことだった。」(あとがきより)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Sam
44
理解できているとはとても言えない一方、常人が考えつかないような着想、眩くるめくような鮮やかな論旨の展開、ダイヤのような硬質で透明な文体にそそられて、断続的ながらもおよそ40年に渡って著者の作品を読み続けてきた(積読本もたくさんあるけど)。本書は回想録ということで、作品からは伺い知れない言動やエピソードも多く、興味深く読むことができた。あれほど明晰でも、というか明晰だからこそ、思索における迷路にはまってしまったのであろうな。いずれにしてもこれからも少しでも長くご活躍いただきたい。次作も期待してます。2026/05/15
逆丸カツハ
33
あのインタビューこんなに分厚い本になったのか。おおらかな時代の空気を感じる(その時はその時で色々あっただろうが)。その空気にあてられて生きていたい。2026/04/28
踊る猫
29
実にスマートに、聞き手の滝沢氏は柄谷行人という批評家の活動を聞き手として整理する。ぼく自身ぜんぜん知らなかった幼い頃の思い出話から青春期、デビューの時期や盟友・中上健次との出会いなどなど……柄谷行人の思想の深度の深さに肉薄する読みというよりは初学の人間に向けてその深度をクリアな言葉で解説するスタンスが採られており、ぼく自身柄谷の批評はまったくと言っていいほど理解できていないので学ばされるところが多かった。柄谷という人は自身の思考をその時々に刺激を受けたものたちを媒介に、理論を増築してきた人なのだなと思った2026/04/27
Hiro
5
ずっと昔学生時代から気になっていながら今までつい読まずに来た作家。著作の数はどんどん増えて今では何から手に取ったらよいのか困るところを本書が丁寧に手ほどきしてくれた。書名のとおり幼少期からの読書や交友、そして特に著述を主とした回想記だから、主要著作の執筆の経緯、著者なりの意図、次作へのつながりなどがとても分かりやすく語られている。著者の多数の作品群を読み進めるための最高の入門書だ。それにしても、著者は難しい本を読んだり語学を習得したりするのが苦もなくできる人なのでしょうね、大谷みたいに。2026/06/09
ishii.mg
3
聞き手滝沢文那がいてこその構成。柄谷をいくつか読んできたときのぼんやりとした感想がかたちとなり示されているように感じた。 それにしても、柄谷センセイの記憶力の悪さには随所で笑った。ユーモアもあるのね。 たぶん未読の「世界史の構造」「力と交換様式」読んでみなくては。2026/05/14
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