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内容説明
人生のふとした瞬間に出逢う、暗闇や不安。
それを鋭い眼で捉え続けた異端の児童文学者による、伝説の短篇集。
巻末に初期短篇を増補した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
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22
読み友さんより。結論として本当に読んでよかった。と太文字で書いてもいい。しかし読了後かなりの疲労感も。今ならパワハラとか児童虐待、毒親、ネグレクトなど様々な名称で簡単に括られる行為が、それでも両親のなけなしの愛情やコミュニティの柔らかさにくるまれて、ツラいだけじゃない不思議な湿度を伴って描かれている。主人公の子ども達は、名前のない家族や社会に対するモヤモヤを、とりあえず心の中に格納して生きる。現在のメディアは、名前のないものとずっと対峙していくことを嫌うが、それは問題の図式化でしかないと気付かされる。2026/06/23
Ribes triste
10
最初から最後までこころがぞわぞわする不穏な短編集。不条理で残酷で悲しい。生きるためには人間はずるくも冷酷にもなる。そこに大人も子どもも関係ない。でもね、面白くて最後まで読んでしまった。読み終わって、闇のむこうに差し込むかすかな光が見える気がするのよ。2026/05/03
ハルト
8
読了:◎ 子どもの視点から見た大人世界の不穏な不条理を書いてある。状況がわからず、ただ子どもはそこにいる。それがしんしんと怖い。夜、童心に返り眠れなくなるような怖さがある。読みながら、子どもたちの身になにが起こるのかが不安となって迫ってくる。ハーメルンの笛吹き男のように、子どもが(そして子ども目線で読んでいる自分が)攫われてしまうのではないかという、恐怖。「童話の葬式」とあるように、童話だけれど負の童話とでも云おうか。乾いた骨の音が歌うような童話たちだった。でも怖くてもどうしようもなく心惹かれる作品2026/04/25
せせらぎ
2
子どものときの漠然とした不安を言語化した一冊。一人留守番中、お母さんがこのまま帰って来なかったらどうしよう、食べ物はあるから1週間は大丈夫かな。でも帰ってきてもそれは本当にお母さんなんだろうか、お母さんそっくりな何かが入れ替わっているかもしれない、でも変わらずに世話をしてくれるなら中身が変わってしまっていても、外側が変わらないなら何も変わっていないのと同じではないか、それなら中身なんてどうでもいいか‥ガラガラと引き戸が開き「ただいま」と声がする。お母さんだ‥中身はどうなっているかわからないけど。みたいな。2026/05/06
ドント
2
読んでいて、強くしっくりと来てしまった。異端の児童文学者による子供が酷い目に遭う掌編と、全く明るくない随筆を収録した一冊。ごく一部を除いて本当に救いがなく、どうしようもなく、ただ立ち竦むしかないようなモノが並んでいる。「トラウマ」「絶望」「地獄」などという手垢のついた表現は似つかわしくない。もっと深い部分で夢も希望もない。死すら救済ではない。しかし私は、これを怖いとは思わない。世界や人生とは本当は「こう」なのだと感じている人にとって、これらの物語は酸素であり暖かい毛布である。私の心の支えになりそうな本だ。2026/04/28




