内容説明
旧幕府軍として新政府に最後まで抵抗した元旗本の中野梧一。維新後、その才能を井上馨に買われた中野は、士族たちの反乱の火種が燻る山口県の参事に抜擢され、かつての仇敵・長州へと赴く。その中野の命を農民出身の元奇兵隊士・卓介が狙うが……。維新後の新しい世の中に翻弄されながら“新たな生き方”を模索する二人の男の運命を描く歴史ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
こまねち
2
元幕臣の中野梧一。こんな数奇な人生を送った人物がいたとは、知らなかった。時代の流れに翻弄されたひとりかな。 2026/05/23
茶幸才斎
2
幕末。長州の寒村出身の卓介は、仲間のおと松と益三を誘い、立身栄達を求めて奇兵隊に入り幕府軍を相手に戦火の地獄を這い回る。幕臣の斎藤辰吉は、錦旗を掲げた薩長軍を相手に幕軍将校として泥沼の戦場に立つ。破壊と鎮圧の動乱を経て、新政府下で旧幕臣の中野梧一が山口県参事として現地に赴任したとき、過去を引き摺る彼らの人生が交錯する。筆者の目論見と力点が奈辺にあったか分かった時点で、それまでの妙に淡白なストーリー運びの謎が解けた。彼らの数奇な巡り合わせは大変興味深いが、前半と後半の物語描写の粒度は合わせた方がよかったね。2026/05/06
好奇心
0
中野梧一、波乱万丈の41歳の短い人生だった、幕臣として戊辰戦争、彰義隊の上野戦争、箱館戦争の中を生き残った、常に負け軍に、身を置いた半生、井上馨との知己により、敵方だった長州の山口県知事に就任、財界への転身が望みだった夢を叶え、西南戦争等の恩恵を受け、五代友厚・藤田伝三郎の応援を得、財界の重鎮になったが、贋札事件へ関与を疑われたころから、両氏からも裏切られ、坂を転がり落ちるように、遺書も残さず猟銃自殺で人生を終えた、斎藤豊四郎・卓介は実在?2026/05/16




