ちくまプリマー新書<br> エレガンス入門

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ちくまプリマー新書
エレガンス入門

  • 著者名:中野香織【著】
  • 価格 ¥1,012(本体¥920)
  • 筑摩書房(2026/05発売)
  • 夏至&父の日!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン(~6/21)
  • ポイント 225pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480685568

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内容説明

エレガンスとは、自分の意志で選びとること。
思想、文化、美学、実践──
その力と技法を学びとり、あなたらしい判断の基準を育てる

───

エレガンスとは、優雅な振る舞いのことではありません。高価なものを身につけることでもありません。
エレガンスとは「どのように世界と関わるか」という判断の技法です。
古代ギリシアの身体観から宮廷の作法、近代の思想、科学の方法論、そして現代のビジネスや組織の設計に至るまで。エレガンスは時代を超えて、暴力と欲望を制御し、他者との距離を調整する知として機能してきました。
それは装いに現れ、言葉に宿り、制度にまで及びます。美学であると同時に倫理であり、社会を動かす力として働いてきました。
アルゴリズムが「正解らしきもの」を出し続ける時代に、何を選び、何を退けるか。どこで踏みとどまるか。その判断の一つひとつが、人の品格と関係の質を形づくり、ひいては社会を変えていきます。

思想史・文化史・科学・ファッション・ビジネスを横断し、この曖昧で誤解されがちな概念を「人間理解のための思考の形式」として読み解く、前例のない試み。
読むほどに世界の見え方が変わり、自分自身の振る舞いが変わる一冊です。

===
【目次】
序章 学問としてのエレガンスへ
PartⅠ エレガンスの思想
第1章 エレガンスの輪郭―美の概念として
第2章 思想史Ⅰ 古代―近世―暴力から距離を取る技法
第3章 思想史Ⅱ 近代―現代―「権威」から「区別」へ
第4章 ココ・シャネル―女性たちのアイコン
第5章 ダンディズム―男性たちの美学
第6章 美しい理論―科学が描き出すエレガンス
PartⅡ エレガンスの力
第7章 誰がエレガンスを決めるのか―「趣味」を支配する者たち
第8章 世界と仲良くしすぎないための技法―静かな反逆として
第9章 階級演出装置としてのエレガンス―特別であること
第10章 エレガンスの到達点―ロールス・ロイスと「説明しない品格」
終章 AI時代のエレガンス
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目次

序章 学問としてのエレガンスへ/Part I エレガンスの思想/第1章 エレガンスの輪郭──美の概念として/乱用される「エレガンス」/エレガンスとは「選び取る」ことの積み重ねである/宮廷から都市へ/エレガンスの構成要素/「美の地図」に位置づける/美とエレガンス──「写る美」と「振る舞いとしての美」/崇高とエレガンス──人間のスケールをめぐる対比/グレースとエレガンス──与えられた優雅さとつくり上げられた優雅さ/高貴とエレガンス──「序列」を示す美と、「心地よさ」をつくる美/ラグジュアリーとエレガンス──「どこまでやるか」と「どこで止めるか」/日本の美意識とエレガンス──「見せない」ことで生まれる緊張感/他者への配慮としての形なき贈り物/第2章 思想史Ⅰ 古代─近世──暴力から距離を取る技法/古代ギリシア──暴力を「内面の調整」に変える/古代ローマ──権力を「洗練された振る舞い」に包み込む/中世~ルネサンス──暴力を「ゲーム化」し礼節に絡めとる/フランス宮廷──決闘からサロンへ/エレガンスの二面性/暴力の見え方を変える仕掛けとしての武士道/イタリア宮廷──努力と攻撃性を見せない技術/日本──雅・侘び・粋としての非暴力の美学/エレガンスは人間をどう「進化」させたか/第3章 思想史Ⅱ 近代─現代──「権威」から「区別」へ/ジンメル──流行で立ち位置のバランスをとる/ヴェブレン──有閑階級と「誇示的エレガンス」/ブルデュー──趣味・ハビトゥスとしてのエレガンス/ディドロ──自然な調和としての美/日本近代文学におけるエレガンス──陰翳・はかなさ・節度/ソンタグ──キャンプと真面目なエレガンスの裏面/近現代エレガンス思想の三つの座標軸/第4章 ココ・シャネル──女性たちのアイコン/孤児院から世界的ネットワークへ/従属の美を壊す/自由をかたちにする/黒の力──喪の色から意志の色へ/矛盾を統合するエレガンス/生き方をデザインする/エレガンスの原型としてのシャネル/第5章 ダンディズム──男性たちの美学/エレガンスは「女性の特権」ではない/ブランメルがもたらした「削ぎ落とす美」/二重の拒否──華美にも有用性にも与しない/ダンディズムとは何か──精神の貴族性としてのエレガンス/ジェントルマンとダンディ──倫理のモデルと美学のモデル/戦う美としてのエレガンス/第6章 美しい理論──科学が描き出すエレガンス/証明問題からはじまるエレガンス/数学における「一行のエレガンス」/科学が描く、無駄のない宇宙の線/科学哲学が見た「美しい理論」/「美しさ」が目を曇らせるとき/ファッションにおけるエレガンスの逆説/テクノロジーと「使える」エレガンス/思考のエレガンスという地平/Part II エレガンスの力/第7章 誰がエレガンスを決めるのか──「趣味」を支配する者たち/感覚は、どのようにつくられたのか/誰が「上品」を決めてきたのか/帝国がつくった「標準の身体」/まねることは、服従か、戦略か/「趣味」を支配する者たち/誰の文化が「洗練」されるのか/炎上時代のエレガンス/これからのエレガンス倫理/第8章 世界と仲良くしすぎないための技法──静かな反逆として/システムからの逸脱の技法としてのエレガンス/凡庸と退屈からの逃走/犯罪とエレガンスを両立させた衣装/善悪、法、道徳を超える矜持と美意識/「不純」の洗練──純粋さという暴力への抵抗/秩序の内部の異質性/矛盾を引き受ける強さ/現代における「反秩序」の実践/エレガンスという名の「私的な掟」/第9章 階級演出装置としてのエレガンス──特別であること/民主化の陰で生き続ける「聖域」/ル・バル・デ・デビュタント──身体に刻まれる特権のコード/デビュタント舞踏会の歴史/ラグジュアリー・マーケティングへの転換/教育という名の「ハビトゥスの接ぎ木」とネットワーキング/コンクール・デレガンス──自動車という「拡張された身体」/パティーナ(古艶)の政治学/選別の美学と「模倣と翻案」/批判と沈黙/継承される境界線/第10章 エレガンスの到達点──ロールス・ロイスと「説明しない品格」/なぜここでロールス・ロイスなのか──普遍的な「あり方」の抽出/「説明しない」という設計思想/東洋の静寂との邂逅/精神的自衛としてのエレガンス/制御された力/比較に応じないという選択/終章 AI時代のエレガンス/あとがき/参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

19
エレガンスとは自分の意志で選びとること。この曖昧で誤解されがちな概念を人間理解の思考の形式として読み解く1冊。優雅な所作、古代ギリシアのアリストテレス的中庸、宮廷文化における作法の政治学、科学におけるエレガントな証明、ファッション史の拒絶の美学、現代のアルゴリズム時代における選択の自律などから、世界と関わってきた系譜を解説していて、流行や外部の正解らしきものに流されず、何を選び何を手放すかという取捨選択の精度こそが人の品格を形づくるという主張を読むと、日常の小さな選択もまた少し違ったものに見えてきました。2026/06/06

ハチ

6
興味深く読んだ。 エレガンスの核となる場所は目立たない場所でありかつ、もっとも難しい領域だと言う視座を獲得できる。 豊かで深く、厳しい覚悟で満たされたものの見方だなあ。 ロールス・ロイスと利休の茶室。ココ・シャネルと数学。 思いがけない思考の補助線をもらえた。 傑作。2026/06/10

pppともろー

3
これまで考えたことが無かった。生き方・思想。これほどまでに深くて豊かな世界があったとは!2026/05/19

辻井凌|つじー

1
エレガンスは「美しい」のような評価ではなく、世界との距離のとり方が軸にある。 暴力から距離をとるように、今は煽りやSNSに対してエレガンスが必要だ。自分にはまだない。 石川智健『エレガンス』を読んだ後だけに、非常にタイムリーな一冊だった。2026/05/14

天使

0
六本木蔦屋で積まれていたので買いました2026/06/10

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