内容説明
華麗なる時代の最後の輝きの日々
登場するのは、『日の名残り』の主人公のモデルといわれる「クリヴデンのリー卿」ことアスター子爵家のエドウィン・リーをはじめとする五人。彼らはみな、十九世紀後半~第二次大戦前のイギリスで、地方の労働者階級の家に生まれて十代前半から働きはじめる。執事になってからの、大邸宅の日常や豪華な大イベントを取り仕切る仕事。チャーチル首相や王家の人々との関わり。そして、二十世紀社会の激変に翻弄されながら、華麗な貴族の時代の終わりを目の当たりにする哀しみ……。華やかなまま引退する者もいれば、悲運に見舞われた雇用主一家にあくまで忠義を尽くす者、〝旧時代の雇い主〟の要求と〝新時代の部下〟という現実の板ばさみになって苦しむ者など、その結末はさまざまだ。 五人それぞれが一人称で語る人生の物語は、楽しい読み物であると同時に、二十世紀イギリス史の貴重な記録である。
【目次】
まえがき
1 プロローグ
2 ゴードン・グリメット
ランプボーイの話
ゴードンの回想についてひとこと
3 エドウィン・リー
ページボーイの話
リー氏の回想についてひとこと
4 チャールズ・ディーン
ブーツボーイの話
チャールズの回想についてひとこと
5 ジョージ・ワシントン
ホールボーイの話
ジョージの回想についてひとこと
6 ピーター・ホワイトリー
雑用係の話
ピーターの回想についてひとこと
7 エピローグ
解説
訳者あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
練りようかん
16
著者が一緒に働いた男性五人の半生を聞きまとめた回想録。やんちゃすぎて転校させられた過去を持つランプボーイは、職場恋愛事情の語りが面白く、雇い主や上司が恋愛禁止の校則がある教師に見えることもあり、お屋敷奉公は教育だと言う締め括りが腑に落ちた。また、善良で優秀なページボーイは執事を変えるのは夫を変えるより一大事だったことが窺え、イギリス社会の二つの階層が持ちつ持たれつの関係であった社会史の面を強く感じた。特に印象的なのは引退後の生活が生き生きとしていたこと。そこに日本との違いがあるのか、興味は尽きなかった。2025/05/17
ロア
12
面白かった~!(●´ω`●)執事・メイドものってそこはかとなく良いよねぇ。2025/04/10
Inzaghico (Etsuko Oshita)
10
カズオ・イシグロの『日の名残り』で、最後にアメリカ人の金持ちに仕える話が出てきたが、貴族が没落して新興勢力がのしてゆく様子が本書から窺える。ここに出てくる男性使用人は、しかたがないとは思いながらも、それを快く思っていない。著者は貴族という存在が否定的にとらえられている傾向があることを認めつつ、"noblesse oblige"がどれほど大変で重圧かを訴える。 執事にアルコール依存症が少なくないことも驚いた。アルコールに弱い人を執事にしたほうがいいのかしら(なんか違う気もする)。2024/11/20
若黎
9
面白かったと言ってもいいのかな。『おだまり、ローズ』もそろそろ読むか。2025/07/16
🐰
3
ロンドン社交界は、下僕たちの労働環境や階級意識のグロテスクさなどあまりに問題含みだが、にも関わらずその豪華絢爛な様には惹かれるし、仕えてきた貴族たちの茶目っ気や優しさやノブレスオブリージュの意識などはカッコよくもある。この本には、今の時点で正しいとされる価値観は全くと言っていいほど提示されないが、べつに正しいことを読みたくないのでマジでこれでいいしこれがいい〜2025/09/17
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