内容説明
銀座の地下から漕ぎ出す舟、異文化が生む愛の落とし穴、窓から見えるもう一人の私、幼い昔へと走る電車――アイデアとウィットと皮肉な筆致を武器に切れ味鋭い短篇を次々ものし、世に送り出した作品はじつに900以上。91歳、ついに迎えた創作人生の終わりに感謝をこめて読者に贈る「てのひらの小説」珠玉の36篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
165
阿刀田 高は、永年に渡って新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、著者最後の小説集、以前に比べると表現が古臭く、キレもない感じは否めないですが、久々楽しめました。 https://www.shinchosha.co.jp/book/334333/2026/07/02
trazom
107
若い頃、阿刀田さんをよく読んだ。鞄の中にこの人の文庫本一冊あれば、いつでも読めていつでも止めれて、とても便利だった。でも、読み続けるうちに結末が想像できるようになり、遠のいてしまった。本当は、阿刀田さんのショートショートの真骨頂は、サプライジング・エンドとしての結末の鮮やかさというより、終わった後の余韻なのかもしれない。「人生ってこんなに哀しいものなんだ」「人間ってこんなに残酷な生き物なんだ」というような情感が胸の中に広がる。阿刀田さん91歳。「さいごの小説集」もまた、そんな阿刀田さんの魅力に満ちている。2026/07/08
KAZOO
98
「90歳、男のひとり暮らし」で書かれていたように阿刀田さん最後の作品集が出版されました。短編と言おうとやはりしんどくなったのか、それよりも短いショートショートが36編収められています。7つの分野に分かれていてそれぞれが往年のものとまでは言わないまでもやはりエスプリが効いた作品となっています。エピローグでは最後のあいさつのような感じのものとなっています。今まで楽しませてくれてありがとうございました。2026/05/31
さちこ
38
ブラックユーモアを知った。2026/07/22
ともこ
24
今さらながら読みはじめたばかりの阿刀田高さん。古いもので1994年、新しいもので2025年の掌編が収められている。ちょっとおかしいもの、ちょっと怖いもの、ちょっと不思議なものと様々だ。その中のひとつ、読みたい本が鳥のように羽ばたきなからやってくる光景を思い浮かべると嬉しくなる。夏の日の午後、ジリジリした日差しを他人事に、静かに読むのにぴったりの本だ。2026/08/25
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