内容説明
飛鳥から白鳳時代、畿内と各地の有力氏族は続々と氏寺を創建した。大和とその周辺の摂津・伊賀・近江と、東国も視野に、堂塔の配置と造営時期を検討し、出土瓦の文様から古代寺院を造営した氏族の性格を解明する。また、寺院の造営と評(郡)司の任用問題、朝鮮半島の寺院との関連を踏まえ、伽藍と寺院に葺かれた瓦の文様の導入にも言及する。
目次
第一部 大和の古代寺院と造営氏族
第一章 願興寺出土の飛鳥期軒丸瓦と造営寺院
はじめに
一 願興寺をめぐる沿革
二 発掘された願興寺跡の遺構と軒瓦
三 塔の建立時期と出土した軒瓦
四 願興寺の造営に先行する飛鳥期の軒丸瓦
おわりに
第二章 巨勢寺跡と造営氏族の動向
はじめに
一 巨勢寺跡の発掘遺構と出土瓦
二 創建期の寺院の造営と巨勢氏の動向
三 蘇我本宗家の滅亡と巨勢氏
四 その後の堂塔の造営と巨勢氏の動向
おわりに
第三章 吉備池廃寺と木之本廃寺の性格
はじめに
一 木之本廃寺の所在地と軒瓦
二 吉備池廃寺と木之本廃寺の発掘
三 吉備池廃寺と木之本廃寺の軒瓦
四 吉備池廃寺からみた木之本廃寺の性格
五 川原寺にともなった尼寺
おわりに
第四章 川原寺の瓦当笵の移動と寺院の造営
はじめに
一 川原寺の造営
二 瓦当笵Aの高麗寺への移動とその性格
三 崇福寺・南滋賀廃寺・大津廃寺の造営
第五章 檜隈寺跡の伽藍と大改修
はじめに
一 檜隈寺跡の発掘遺構と出土軒瓦
二 天武天皇に叱責された東漢直
三 天武天皇への檜隈の地の割譲
四 檜隈寺の伽藍の大改修
おわりに
第六章 本薬師寺の伽藍と新羅の感恩寺
はじめに
一 本薬師寺と双塔式伽藍
二 新羅の感恩寺・四天王寺と双塔式伽藍
三 本薬師寺と感恩寺・四天王寺
四 平城京遷都と移建された薬師寺伽藍
五 古代日本と統一新羅との国際関係
おわりに
第七章 小山廃寺の性格とその寺院名
はじめに
一 小山廃寺の伽藍と軒瓦
二 軒瓦からみた造営氏族
三 小山廃寺の寺院名と藤原寺
おわりに
第八章 加守廃寺の長六角円堂とその性格
はじめに
一 加守廃寺の発掘と出土瓦
二 長六角円堂とその性格
三 長六角円堂と義淵と大津皇子
おわりに
第九章 毛原廃寺の性格と造営氏族
はじめに
一 これまでの研究
二 伽藍と軒瓦からみた造営時期
三 毛原廃寺の造営者をめぐる諸説
四 山辺郡を本拠地とする有力氏族
五 平城宮・京への遷都と山辺君
六 毛原廃寺と伊賀の近隣寺院
おわりに
第一○章 菅原遺跡の八角円堂と長岡院
はじめに
一 発掘された八角円堂院跡
二 八角円堂の諸例とその構造
三 菅原遺跡の八角円堂跡とその復元
四 行基と長岡院
おわりに
第二部 大和周辺の古代寺院と造営氏族
第一章 摂津の猪名寺廃寺・伊丹廃寺と造営氏族
はじめに
一 猪名寺廃寺の発掘と伽藍
二 猪名寺廃寺の造営氏族
三 発掘された伊丹廃寺の伽藍と軒瓦
四 伊丹廃寺の瓦積基壇
五 伊丹廃寺を造営した氏族
おわりに
第二章 伊賀の夏見廃寺の造営と大来皇女
はじめに
一 夏見廃寺の伽藍と金堂
二 夏見廃寺の軒瓦と 仏
三 造営氏族をめぐる諸説
四 造営氏族の性格と金堂
五 夏見廃寺と大型多尊 仏
第三章 近江の宮井廃寺の性格と造営氏族
はじめに
一 宮井廃寺の伽藍と軒瓦
二 軒瓦からみた宮井廃寺の性格
三 宮井廃寺造営の氏族的性格
おわりに
第四章 古代近江の渡来系氏族が造った古墳と寺院
一 湖西南部と宇曽川流域の後期古墳群
二 瓦積基壇と湖東式軒丸瓦
三 蒲生野の開発と百済人
第五章 近江の大宝寺廃寺の性格と造営氏族
はじめに
一 これまでの研究
二 軒瓦類と鴟尾
三 寺院の性格と造営氏族
四 類似の性格をもつ寺院
おわりに
第三部 古代寺院をめぐる諸問題
第一章 東国の古代寺院の導入と仏教
はじめに
一 古代寺院の造営と東国
二 霊亀二年の寺院併合令
三 東国の古墳に副葬された銅鋺と仏教
おわりに
第二章 古代の同笵軒瓦からみた僧寺と尼寺
はじめに
一 大和の僧寺と尼寺
二 河内の僧寺と尼寺
三 摂津の僧寺と尼寺
四 山背の僧寺と尼寺
五 近江の僧寺と尼寺
六 僧寺と尼寺にみる諸側面
おわりに
おわりに
索引



