アズキの起源

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アズキの起源

  • 著者名:内藤健【著】
  • 価格 ¥2,090(本体¥1,900)
  • 東京書籍(2026/04発売)
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  • ISBN:9784487818884

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内容説明

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大陸か、日本か? 赤いアズキはどこで生まれた?

 日本人にとって、アズキは赤飯やあんパンやぜんざいなど、毎日ではなくとも普通に食べる食材だ。だが、少なくとも私はアズキの研究論文を読んだことがなかったし、学会でもアズキの研究発表を聞いたことがなかった。実際のところどれくらい研究されてるんだろうと思って論文検索データベースでアズキを検索したら、ヒットした論文数、91。えっ、少なくない!?と思い、同じマメ科でも最も重要な作物であるダイズの論文を検索してみると、その数1万8千である。さすがダイズさん、油を搾るために世界中で栽培されているだけのことはある。搾りかすは家畜の餌
にしてもいいし、醤油の原料として売ることさえできる。アジアで最も重要な作物であるイネの研究論文はそれ以上で、2万2千だった。
--「まえがき」より抜粋

 アズキの名前の由来って、みなさんご存知であろうか。私は子供ながらに、何でダイズは「大豆」という漢字の読み通りの名前なのに、アズキは違うのだろうかと疑問を持っていたことはある。漢字では「小豆」と書いておいて、これを「ショウズ」ではなく「アズキ」と読むなんて無理矢理過ぎはしないか。学校で習った「小」の字の読み方は「ショウ」・「コ」「ちい(さい)」であり、「あ」も「ず」も「き」もなかったぞ。豆だってまめ・トウ・ズ以外の読み方、習ってないし。
 実は、「あずき」というのは「やまとことば」なのである。中国では「小豆」あるいは「赤豆」と書いてシャオトゥと呼ぶ(大豆はタートゥ)のだが、その漢字が伝わってきた後でさえ、日本人はアズキをアズキと呼び続けたわけだ。なので、それだけ重要な食べ物だったのだろうなということは想像できる。
 そしてアズキの語源については、二つの有力な説がある。一つは「あ」は赤を、「ずき」は煮崩れるとか溶けるとかいう意味を表すとする説である。赤くて、かつ他の豆類よりも調理時間が短く済むマメということかも知れない(心の声:しかしアズキの調理に要する時間って……決して短くはないような?……と思ったが、ヤブツルアズキに比べると俄然早く火が通るので、ああ、なるほどという気もする)。もう一つは、「あ」は赤、「ずき」は「つぶき(粒木)」が転じたものとする説である。赤い粒のなる植物、は確かに分かりやすいが、どっちかというと前者の方がより有力視されているようだ。いずれにせよ重要なポイントは、どちらの説もアズキのアは「赤色」のアだとしていることだ。つまり、古の日本人の間にアズキという呼び名が定着した頃には、アズキはすでに赤かったということだ。
--「コラム6」より抜粋

目次

まえがき
目次
第1章 アズキ研究前夜
column1 進化とは
column2 アズキの仲間について
第2章 地図を作れ アズキゲノムという名の地図を
column3 スカスカのゲノム
column4 自然選択と人為選択
第3章 アズキの歴史と我が家の歴史
column5 作物の起源
column6 アズキの名前の由来
第4章 アズキの起源は日本以外ない
column7 用語解説:ゲノム・遺伝子座・対立遺伝子
第5章 遺伝学と考古学が完全に一致
第6章 中国起源説を覆せ
column8 キュウリモザイクウイルスが揺さぶる「個体」の意味
column9 アズキ雑学いろいろ
おわりに
出典

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

きみどり

15
アズキ🫘って縄文時代まで起源を遡ることができるのか!そしてなんと数少ない日本原産で世界中へ伝播して行った食用植物なんだそうな。アズキの起源にまつわる専門的なお話もさることながら、初期のゲノム解析には膨大な時間と資金がかかっていたが今ではスピード超短縮&費用も超安上がりとか、少し前にパン小麦の病気が大流行してて実は密かに世界食糧危機寸前だったとか、著者のご先祖はアズキの先物取引で財産を溶かしたという因縁があるとか、サイドストーリーもたいへんに面白かった。2026/08/18

Drivin' a blue car

14
学生の頃、理科の中でも生物は結構好きな科目だったので、遺伝子のことなどたくさん書かれていた本書にとても興味をもって読むことができた。ただし、途中はちんぷんかんぷん(笑)こちらがもう何が何だか分からないようなお話を、テンションMAXで語る筆者!学者さんってすごいなあと、やけに感心してしまった。多くの日本人の心に響く味をもたらすアズキが、科学的に日本由来であることを証明できる研究は、それはそれは誇らしいものだろうし楽しかっただろうと想像できた。2026/08/28

ぽけっとももんが

10
「お米さんとのお付き合いは3,000年だけど、アズキさんとのお付き合いは1万年なんだなぁ」と、手元に和菓子はないけれども思いを馳せました。わたしは今まで、アズキがどんな植物か考えたこともなかった。どんな花や葉で、そもそもアズキがどんな風に成るのか。莢ですよ、豆ですもんね。遺伝子のお話は難しくても、なんだか新しい技術で大昔のこともわかってきてるんだなぁと、誰かちゃんとわかる人がいてくれてるんだと思うと楽しくなる。あとはヤブツルアズキや栽培されている、または野良のアズキを見てみたいぞ。2026/09/04

y

6
改めて一流の研究者は文書が面白いなぁと思いました。 関東人なので関西弁は少し読みづらかったですが… 家族の因縁話やコラムも楽しかったですが、コアレセント理論などの専門的な話も分かりやすく書かれていて筆者が凄いなと感じていることがストレートに伝わりました。 和栗の成果も楽しみです。2026/06/27

mft

6
アズキの起源が日本だという話はしばらく前にネットで見た記憶がある。その詳細。生物種一つのゲノムを読むのは今やそんなに難しくはなく、その上で集団ゲノム解析やらコアレセント理論やらでさらにわかることを積み上げていくのは勉強になった。特にコアレセント理論は祖先集団のサイズが年代ごとに判るという嘘のような推論方法で凄い。著者の筆致も面白く他の本も読んでみたくなる(グループで出している内の1章担当とかそういうものしかないようだが)2026/04/07

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