内容説明
日本の障害者福祉は長年、施設をつくって障害者を収容することに主眼を置いてきた。
近年、「施設から地域へ」を合言葉にグループホーム等の開設に力点が置かれるようになったが、重度知的障害者の移行は容易ではなく、不適切な施設で虐待に遭う事態なども起きている。
本当に必要な居場所とはどんな場所なのか、どうすれば創れるのか。
自宅でも職場でもない「サードプレイス」に着目し、著者自身が実際に作る試みも紹介。
はじめに
序章 居場所がない障害者たち
第1部 障害者福祉の概要
第1章 障害者であること
第1節 障害者の定義
第2節 社会のなかの障害者たち
第3節 生活の実際
第2章 障害者福祉の思想
第1節 基本的人権
第2節 ノーマライゼーション理念
第3節 自立生活運動
第4節 人権モデル
第3章 支援施策のあゆみ
第1節 歴史
第2節 ケアのあり方
第3節 一人ひとりに寄り添う支援
第2部 障害者の居場所の創出
第4章 居場所をつくる活動
第1節 なぜ「居場所」が必要なのか
第2節 住まいの場の充実
第3節 当事者の活動
第4節 共に生きる
第5章 障害者グループホームの可能性
第1節 自宅以外の住まいの場
第2節 障害者グループホームについて
第3節 資産活用としての家
第6章 福祉型サードプレイスをつくる
第1節 家づくりを始める
第2節 家の生活空間をつくる――建築士との打ち合わせ
第3節 家を建てはじめる、完成、その後
終章 誰もが居場所を持てる社会へ
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
awe
6
重度知的障害を持つ子を育てる研究者が、これまでの障害福祉政策の世界的展開や各国の政策比較を行いつつ、自らの実体験を組み込み、サードプレイスとしての障害者グループホームの展望を語る一冊。◆重度知的障害の当事者、特に強度行動障害も併せ持つ場合だと、地域での受け皿が少なく、結果として家族にのしかかる。政府の唱導する「施設から地域へ」という掛け声は、ここでは空疎に響くだけだと。◆家族だけに負担が偏らない形で、障害当事者が地域で共に支え合いながら暮らすために必要なのはサードプレイス的なコミュニティであるとのことで、2026/06/07
しまたる
3
知的障害者や精神障害者と社会の関わりやタイトルの通り「住む場所」に重点が置かれた新書。今の生活には直接関わらないものの、将来的に障害のある子どもの父となる可能性もあり、心がけ等の点で覚えておくと良い本かもしれない。文章のうち抽象的な部分は頭に入りにくかったが、最終盤な筆者の体験談の部分が具体例として大いに理解に役立った。関係者全員が幸せになれる制度などがあれば良いものの、実際には当事者、当事者の親、介護者、地域社会のすべてを納得させる万能薬はないと感じさせられて難しい。2026/05/05
読書熊
2
実体験も盛り込まれ、説得力ある一冊2026/04/26




