内容説明
罪を犯した者を必ず捕らえて有罪にする「絶対に逃さない探偵」草津正守。旧友である霧島は、草津の「助手」として彼の探偵事務所に勤めている。
ある日、雪山の別荘で発生した殺人事件の調査が舞い込み、霧島は現地調査へ向かう。事務所に戻った霧島から報告を聞いた草津は、すぐさま犯人を見抜く。
早くも事件解決――と思われた矢先、犯人確定に必要な証拠が「消失」してしまう。
事件を隠蔽・捏造して犯人を確実に逃がす「必ず無罪にする仕事人」ヒミコが裏にいると気づく草津。
「事件は犯人が分かってからが本番だよね」
草津は霧島と共に現地へ臨場し、仕事人ヒミコとの上書き推理合戦に挑む!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
171
KGB(旧ソ連秘密警察)の紋章デザインは矛と盾を組み合わせている。犯罪者の依頼で証拠を捏造する女は防諜を意味する盾であり、その欺瞞を見破り真実を暴く探偵の男は諜報の象徴たる矛だ。しかも彼らは中学の同級生であり、面倒な過去を背負っていなければ結婚してもおかしくない関係と匂わせている。非常に魅力的な設定ではあるが、正直2人とも頭が良すぎて呆気なく解決されるため頭脳戦の雰囲気に乏しい。しかも最終編で女は自殺し、その背景が昭和ならともかく令和であり得ない日本の田舎の陋習ときては、あまりにも適当としか思えなかった。2026/04/23
hiace9000
114
「事件は犯人が分かってからが本番」をキーワードにした、予想外の手法から繰り出す本格ミステリ作。罪を許さず絶対に犯人を追い詰める探偵・草津とどんな犯罪者も必ず無罪にする仕事人・ヒミコ。盾と矛の関係にありながらも、意外な接点を持つ二人と探偵の助手を務める裏稼業出身の霧島。いずれも一癖も二癖もある人物たちが事件の証拠を隠滅したり、捏造したりしながら繰り広げるスリリングな騙し合いは、本格ミステリ読書を回避傾向のわたしも意外に楽しませてもらえた。最終章ですべてがつながりながら回収されていく伏線もよく練られている。2026/05/28
annzuhime
55
図書館本。絶対に逃さない探偵vs必ず無罪にする仕事人。推理合戦なんだけど、少し物足りなかった。幼馴染の3人だからか、対決といってもなんか優しさを感じたからかな。面白い設定だったけど、結末は他にも選択肢があったのではないかと。あそこまで徹底する考えが理解できなくて残念。隠蔽の方法は面白い。でも結局、隠蔽するほうがいつだって不利だよね。2026/06/12
さっちゃん
55
犯罪者を必ず捕らえて有罪にする「絶対に逃さない探偵」草津と、助手の荒事担当・霧島。一方、事件を隠蔽、証拠を捏造して「必ず無罪にする仕事人」ヒミコこと氷見。事件を解き明かしてからが本番の上書き推理合戦。/連作短編だが、中学の同級生だった三人の関係性が「盾と矛」のようになってしまう因縁が最終話で詳らかになる。知と暴の両輪で犯罪者を叩きのめす爽快感にワクワク。インタールードもエモい。ただ、最終話の因習村の事件はヒミコのキレを感じられないのが残念。そして表紙が物語のイメージや魅力を伝えられていないのも残念。2026/05/31
オフィーリア
54
トリックと犯人が割れてからが本番、絶対に犯人を逃さない探偵と絶対に犯人を無実にする仕事人のロジカルバトル。証拠の捏造、破壊、果ては暴力による実力行使まで、己に都合のいい真実を押し付け合う。そこまでの展開が最高オブ最高だっただけに後半の展開は勿体ないと思ってしまった。2026/05/02




