内容説明
ベストセラー作家、ジネヴラ・Exからプレゼントされた、オリエント急行での三日間の旅。ジネヴラは実在の人物をモデルとして小説を執筆しており、最新作の主人公(メインキヤラクター)に選ばれたローリィは、報酬として豪華列車の旅を贈られたのだ。しかしローリィが列車に乗りこむと、そこには兄、親友、元恋人など、彼女と浅からぬ関係をもつ人々の姿が。さらに列車内では件(くだん)の最新作『湖畔のキャビン』の製本原稿が手渡される。ローリィたちの人生が描かれたはずの本書はミステリで、作中で誰かが死ぬらしい……。盗まれた本、姿なき作家、そして客室の死体。絢爛たる謎に彩られた極上のミステリ。/解説=大矢博子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
stobe1904
23
【オリエント急行を舞台にした人間ドラマ】イタリアの有名な作家からインタビューを受ける仕事についたローリィは報酬としてオリエント急行の旅を贈られたが、そこには親友、元カレ、兄など旧知のメンバーがいた…。帯の『極上のミステリ』にミスリードされ、クリスティのオマージュと思い込んで読み始めたが一向に事件が起きず、登場人物たちの入り組んだ人間関係を淡々と読み進めるうちにその人間ドラマの面白さに気づく、ような印象。ミステリではないと割り切ればそれなりに楽しめるが、少し長すぎかな?★★★☆☆2026/08/13
くさてる
21
実在の人物をモデルに小説を書く有名作家、その主人公に選ばれたローリー、作家からオリエント急行の旅を贈られたがその列車には彼女と因縁がある人々が乗り合わせ……という設定自体はすごく面白いはずなのに、話の焦点がどんどんずれていくので困った。登場人物の言動が不安定なうえにどんでん返しのためのどんでん返しが続くうえに、過去の話が割り込んでくるのでよけいに困った。最後まで読ませる面白さはあると思うけど、なんというか、この長さならもうちょっと好きになれる登場人物を出しておくれよ……という感じでした。2026/10/14
クレイン
20
読み終わって思うが、終盤の話がこの物語の核であり、オリエント急行は特に関係ないということになるのではないか。とにかく長い割に関係のない話が多く、それが物語に深みをもたせていない。登場人物がなんとなく薄い。話が入れ替わることにより物語に深みがでそうだが、出ない。やや残念な作品だった。2026/05/27
練りようかん
19
独自の手法で小説を生み出すベストセラー作家。オリエント急行の豪華な旅と引き換えに、過去が炙り出される契約者たち。冒頭の死体は誰なのか、こんなはずじゃなかったと作家に言わせる狂いがどこから起こるのか興味を引かれた。集められたのは兄妹と親友に元婚約者。抱えていた事情が其々の視点パートで詳らかになり、作家は妹の味方のようなスタンスをとりながらせっせと薪を焚べる印象。神にでもなった気でいるのかと思うのだが、フリとオチだと気付かされる展開で最大の謎解きが悲しい。大矢さんの解説で取り上げた一文が力強くて心に残った。2026/06/27
スイ
18
ある作家の次回作のモデルとなった人々がオリエント急行に集められ、そこで殺人が…という設定は面白い。 が、鍵となるべき作中作はほとんど出てこず、いざこざのきっかけとしてもとってつけたよう。 それよりも過去に重点が置かれ、せっかくの設定が活かされていなかった。 過去パートで描かれるソ連でのユダヤ人差別は、著者の父が実際に味わったものだとあとがきで書かれており、そこが書きたかったという熱は文中からも伝わる。 それも作品にぜひ書き入れてほしいことではあるが、他の部分とのバランスが崩れてしまっており、作品を分けた2026/07/13




