内容説明
教師を目指す学生が教育社会学の基礎と視点を身につけるために編まれたテキスト。
教育社会学が重視する特色を、教員養成の文脈に合わせて解説。
4つのセクション、「基本的な視点」「「子どもの多様性」と向き合う」「教育課題を理解する」「教師を目指すために」
に分け、わかりやすく学んでいく。
データに基づく理解の重要性と限界、子どもの多様性へのまなざし、教育格差・ジェンダー・不登校・移民などの課題、
そして教師の働き方や教育政策まで、学校現場を取り巻く問題を多角的に学べる構成。
「知識」として学ぶだけでなく、目の前の子どもや教育実践に寄り添う姿勢を育むことを重視。
教師を目指す読者の現実的な視点を養い、支えとなる一冊。
目次
第1章 社会化から見る学校教育
第1節 私たちはみんな社会化されている
第2節 人間には社会化が不可欠
(1)思考実験としての野生児 / (2)生理的早産
第3節 社会化はどう成し遂げられるのか
(1)第一次的社会化 / (2)第二次的社会化
第4節 社会化からみる教師の仕事
(1)学校の社会化機能 / (2)児童生徒としての社会化 / (3)教師の社会化
第5節 社会化の視点を活かす
第2章 カリキュラムと教科書
―学校で学ぶ知識は社会の中でどのように作られているのか―
第1節 かつての高校教科書
第2節 教育社会学から見たカリキュラム
(1)カリキュラムとは / (2)教育社会学のカリキュラムの捉え方
第3節 カリキュラムの形成と政治過程 日本の教科書を例に
(1)教科書が学校に届くまで / (2)国家による統制 / (3)マジョリティの価値観の反映
/ (4)グローバル化の影響
第4節 目の前にあるカリキュラムを相対化する
(1)異なる時点の比較 / (2)国際比較
第5節 教師とカリキュラム
第3章 教育格差―「ちがうこと」は「大きな問題」か?―
第1節 はじめに カードは平等に配られる?
第2節 子どもの貧困
第3節 教育格差とは何か
第4節 結果の格差はなぜ生じるか
第5節 教師・学校は「教育格差」を救済できるか
第6節 おわりに 今、みなさんにできること
第4章 教育とジェンダー
―なぜ「性別に関係なく個人を尊重すること」は難しいのか?―
第1節 あなたの名前の由来はどこから?
第2節 「性別による違い」が強調されるのはなぜか?
(1)見落とされてしまう個人差 / (2)学校にあふれる性別カテゴリー
/ (3)性的マイノリティの「困難」を生み出す学校
第3節 女子は本当に理系が苦手なのか?
(1)ねじれている実態 / (2)理系から遠ざけられる女子たち
第4節 大学進学は個人の努力によるものなのか?
(1)在住地域によって「大学」の身近さは異なる / (2)大学進学のハードルは性別で異なる
第5節 教師はどうしたらいいのか?
(1)「誰でもできること」から始める / (2)もう一歩踏み出す
第5章 障害のある子ども―「通常学級で共に学ぶ」の探求―
第1節 分離教育は「当たり前」で「正しい」?
第2節 日本の特別支援教育の現状
第3節 医学モデルから社会モデルへ
(1)障害の医学モデルと医療化 / (2)障害の社会モデル
第4節 共に学ぶ実践から学ぶ
(1)障害を集団の問題として引き受ける集団づくり / (2)「より妥当な包摂」を生み出す教師の振る舞い
/ (3)習熟度別の集団編成・別室指導の一部導入
第5節 共に学ぶ実践をあきらめない
(1)共に学ぶ実践を待ち受ける「逆風」 / (2)包摂は、終わりのない探求
第6章 移民の子ども―日本のなかの多様性と向き合う―
第1節 日本に「移民」は存在しない?
第2節 日本における移民の子どもの実態
第3節 移民の子どもの就学と進学
第4節 移民の子どもたちが学校で直面する障壁 「日本人と同様に扱う」ことの問題性
第5節 移民の子どもを支援する取り組み
(1)平等から公正へ / (2)ユニバーサル・デザインの授業を軸とする学習保障
第6節 多様なアクターとつながる
第7章 不登校―「学校に行くこと」と向き合い続ける―
第1節 はじめに 不登校に「本当の理由」は存在するのか
第2節 社会は不登校をどのように意味づけてきたか
(1)「学校に行かないこと」をめぐる用語・定義の変遷
/ (2)「不登校」というカテゴリーで捉えきれない子ども
第3節 人々は不登校であることをどのように語るのか
(1)不登校をめぐる人々の認識のズレ / (2)当事者による「生きづらさとしての不登校」への着目
第4節 学校の「外」から不登校を考える
(1)「なぜ学校に行かないのか」から「なぜ学校に行くのか」への視点転換
/ (2)フリースクールの実践が問い直す学校の在り方
第5節 おわりに 教師だからこそ考え続ける
第8章 いじめ―「いじめに対応する」とはいかなるプロセスか?―
第1節 これって「いじめ」?
第2節 いじめの基本的理解
(1)いじめの定義 / (2)いじめ集団の四層構造論 / (3)いじめの認知件数
第3節 トラブルをめぐる「認識の不一致」への着目
(1)トラブルをめぐる認識は一致する? / (2)「認識の不一致」という視点
第4節 いじめをめぐる「事実」は社会的に作られる
(1)「事実」は社会的に作られる / (2)「事実」の解釈枠組みとしての「いじめ」
/ (3)「事実」をめぐる解釈はせめぎあう
第5節 「 事実」を作りあげるプロセスに教師としてどう向き合っていくか?
(1)本章のまとめ / (2)「いじめに対応する」とはいかなるプロセスか?
/ (3)いじめ対応のプロセスに教師としていかに関わっていくか?
第9章 学校と安全
第1節 学校は危険だらけ
第2節 学校安全とは何か 定義、対象、法律
第3節 リスクを「見える化」するには 安全と教育のジレンマを考える
(1)柔道と組体操のリスクを「見える化」する / (2)教育の現場で安全を守ることの難しさ 両立は可能か?
/ (3)リスクを「見える化」するための子ども参画
第4節 地域と連携して学校の安全をどう守るか 登下校の安全を中心に
(1)担い手としての「学校」 / (2)担い手としての「地域」
/ (3)「安全」をきっかけに学校と地域(社会)をつないでいく
第5節 国の責任、教師の責任
第10章 地域との連携―地域が教育をつくり、教育が地域をつくる―
第1節 はじめに 身近な「地域」を捉え直す
第2節 「地域との連携」とはなにか、なぜ重要なのか
第3節 「地域との連携」はなぜ求められるようになったか
第4節 「地域との連携」に必要な視点はなにか
(1)子どもの生活環境の多様性を捉える / (2)地域的文脈を個別に把握する
/ (3)地域の実情に応じた教育実践を創造する / (4)地域の多様な教育資源を知る
第5節 おわりに 地域が教育をつくり、教育が地域をつくる
第11章 教師の多忙とバーンアウト
第1節 「教師のバトン」に対する現職教員の反応
第2節 教師の勤務実態と教師における病気休職者数の推移
(1)「教員勤務実態調査」(文部科学省)の結果 / (2)病気休職者数の時系列的推移(文科省)
第3節 教師はなぜ多忙なのか?
(1)教師の多忙とバーンアウト / (2)教師の仕事の特徴と多忙
/ (3)「給特法」と多忙
第4節 教師の多忙化を解消するための試み
(1)部活動改革 / (2)その他の改革と今後の課題
第5節 おわりに
第12章 教師の仕事と働き方
第1節 どこに線を引く?
第2節 教師の仕事と働き方は特殊なのか?
第3節 「子どもと向き合うために」で働き方は変えられる?
第4節 職務の明確化で働き方は変えられる?
第5節 誰が線を引くのか
第13章 教育改革と教員―教員は教育政策といかに向き合うべきか―
第1節 教育改革は自分とは関係ないもの?
第2節 教育政策はいかにつくられるか?
(1)国の教育政策 / (2)自治体の教育政策 / (3)教育政策を批判的にみる
第3節 新自由主義的教育政策とは?
(1)新自由主義と教育政策 / (2)大阪の新自由主義的教育政策
第4節 教育政策をどのように考えるか
(1)公正と卓越性:何をゴールとするか / (2)立場による見え方の違い:教育者―労働者―公務員
/ (3)アクターとしての教員:政策を批判的にみる、翻訳する、声をあげる
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