内容説明
呪われた天才画家は光と影で世界を魅了した
『クリムトと黄昏のハプスブルク』に続く「名画×西洋史」シリーズ第3弾!
大阪・関西万博で『キリスト埋葬』が展示され、日本でも注目度が急上昇中の画家、カラヴァッジョ。斬新な明暗法を用いた写実的な作品で一斉を風靡し、ルーベンス、レンブラント、フェルメールら後の巨匠たちにも多大な影響を与えた天才画家は、血の気の多さから殺人に手を染め「呪われた画家」とも呼ばれていた――
17世紀初頭のイタリアを舞台に繰り広げられた彼の短い生涯を追いながら、その過程で誕生したカラヴァッジョ作品の魅力を解き明かす。
登場する絵画はすべてフルカラーで紹介。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
110
日本に常設作品が一品もないカラヴァッジョ。十年前、カラヴァッジョ展を見るために上京したことを思い出す。彼の生涯と作品は、ドラッツィオさんの名著「カラヴァッジョの秘密」に詳しいが、本書では、中野先生なりの解釈が楽しめる。先生は、「聖マタイの召命」で金勘定している若者がマタイだという新説を真っ向から否定する。また、ルーベンスに対するカラヴァッジョの影響がよく指摘されるが、むしろ、生き方・資質における二人の決定的な違いの方を強調する。私は、サッコ・ディ・ローマの後のカラヴァッジョとベルニーニに強く惹かれる。2026/05/18
アキ
85
画家とその時代を交差させた中野京子のシリーズ第三弾。フェルメールとオランダ、クリムトとハプスブルクに続き、カラヴァッジョとローマです。そのカラヴァッジョですが、実は名前の由来となったカラヴァッジョ村出身ではなく、ミラノ市内で生まれたことが最近になって明らかになったそうです。今更名前を変えることも出来ず、これまで通り呼ばれるらしい。彼の壮絶な人生も凄いですが、現在の西暦・グレゴリオ暦は1582年彼が11歳の時に施行されたことや、シェークスピアは7歳しか違わない同世代人とか、その時代の豆知識も知れて良かった。2026/05/05
keroppi
70
乱暴で、喧嘩っ早く、殺人を犯し、逃亡し、地下牢に放り込まれ、脱獄し、騎士団の団員になり、それでも暴力沙汰を起こし、38歳の若さで熱病で死ぬ。その間に精力的に絵を描き続ける。ドラマティックで迫力ある絵の数々。まるで映画か小説のような人生。絵も魅力的だが、それ以上に、カラヴァッジョの人間としての生き様に惹きつけられる。自分の感じるまま、思うままに生きたのか。生き急ぎ、死に急いだ人生。その中から、これらの絵が生まれてきた。絵の実物も見てみたい。2026/06/10
読特
45
室町幕府の滅びる2年前。ミラノに生まれて、ペストに追われ、育った町がその画家の名前の由来。ローマに出て、描いてはけんかを繰り返す。画壇の寵児となるも、人を殺して身を隠す。マルタに渡り、暴力事件で、地下牢へ。脱獄後も転々とし、暴漢に襲われ瀕死の重傷に陥ったり、再び投獄されたり。最期は熱病で没す。罪を犯す天才であり続けた38年の短い人生。大胆な明暗のコントラスト。光は救いではなく現実を暴く。…作品を眺め、物語を楽しむ。歴史に残ったその才能。もう一度、ページを捲り直せば、その生涯の波乱が滲み出る絵が並んでいる。2026/04/13
はな
30
大好きな画家の一人、作品としては一番惹かれる画家だと思う。今までも殺人者とは知っていましたが、今回中野京子さん解説でカラヴァッジョが読めるという事で、即予約し楽しみに待ってました。フルカラーで作品も見やすく、カラヴァッジョの生涯を汁事が出来て面白かった。イタリアまで作品を観に行きたい。2026/04/16
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