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内容説明
モバイルオーダー、オンライン予約、セルフレジ、最新の家電やアプリ……効率化のために導入されているはずの最新技術が、操作のしにくさによって人々の効率を悪くしている。なぜ新しい機械やシステムは使いづらいのか? それは、最新技術が「機械が苦手な人たち」=「機械音痴」の存在を念頭においていないからである。メディアの変化に並走してきたライター、ポッドキャスターが、機械音痴たちの歴史をたどり、真に「便利な」技術と社会のあり方を考える。
目次
まえがき
第1章 「情弱」だと思われたくない私たち
第2章 めんどうな予約型社会の到来
第3章 エレベーターの歴史から見る機械のユーザーインターフェース史
第4章 押しボタンはなぜ増殖したのか
第5章 「機械嫌い」から見るテクノロジー史――冷蔵庫・鉄道・高層階
第6章 郵便的国家とマイナンバー的国家
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅん
15
「テクノフォビア」から見るテクノロジー史。こういうクールな手つきは著者ならでは。ボタン操作の簡易化が、どこかのタイミングからむしろ複雑になってしまう。その矛盾に人類の根本的な官僚性志向を見出す。エレベーターについて描かれた第3章に、何か惹かれるものがある。2026/03/26
shikada
13
タッチパネル、エレベーター、予約システムなど身近なものを例に「機械ぎらい」が起きる理由を解説する一冊。単なる不便な機械あるあるではなく、その背景にある設計意図とか、歴史について理解できる。ハンドル、アクセル、ブレーキが世界的に統一されたハードウェアである車と、ゴテゴテとわかりにくい近年のソフトウェアの対比がわかりやすかった。ソフトウェアの重要度が高まり、メーカー側は統一のインセンティブがなくなっている。制御ボタンや警報の種類が多すぎてパニックに陥ったスリーマイル島の原発の話は教訓が多そう。2026/04/05
ふるい
7
論の展開にやや強引さや物足りなさを感じる部分はあったものの、全体としては興味深い内容だった。特に、飲食店のタッチパネルやモバイルオーダーが使いにくい理由についての考察で、「情弱だと思われたくない」というユーザー心理が壁となり、不便さへの不満が表面化し難いために改善が進まない…との指摘には、納得感がありました。また、人間とテクノロジーの関係を考察する上で、小説作品(ジェイムズ・サーバー、P・K・ディック、J・G・バラード等)が多数取り上げられているのも、文系(?)機械音痴にとっては楽しいポイントでした。2026/04/09
あいかわ
7
仕事でソフトウェア開発に携わっている者としては申し訳ない気持ちと共感できる部分とあり、面白く読んだ。機械は「サーヴィス」を提供し続ける。「サーヴィス」ごとにボタンや手続きは増えていく。Webサイト1つとっても、サイトの企画者はあれもこれもと詰め込みたがる。そんなに多くのものは見る時間もないし、使いこなすこともできないのに。でも悪意はない、良い「サーヴィス」のためなのだ。2026/03/28
茶幸才斎
3
悪しきユーザーインターフェイスが改善されない理由、事前予約やセルフレジに見る手続過多な昨今の風潮、単純なはずの押しボタンさえ今日では多機能化していることなどに触れ、テクノロジーが効率化や簡素化ではなく複雑化を招いている実情を指摘し、昨今のソフトウェア操作の分かりにくさについて、それはあなたのせいじゃないよ、と慰めてくれている本。確定申告でマイナンバーカードの署名用電子証明書の暗証番号が分からず、税務署からそのまま市区町村役場になだれ込む者の何と多いことか。デジタルが段取りを面倒にし、手続流民を生んでいる。2026/03/21




