内容説明
ヤマト政権内で軍事氏族として台頭した大伴氏は、蘇我・物部両氏が衰退した後も伝統豪族として政界で重きをなした。しかし橘奈良麻呂の変や藤原種継暗殺事件、承和の変などの政争にまきこまれ、応天門の変で歴史の表舞台から姿を消す。藤原氏のライバルといわれた名門氏族の軌跡をたどり、四〇〇年に及ぶ古代国家の展開をも鮮やかに描き出す。
目次
大伴氏をみる目 ―プロローグ
大伴氏の登場 ―五世紀から六世紀へ―
始祖としての大伴室屋
「大伴連」の誕生
有力軍事氏族へ
栄光と挫折の時代 ―六・七世紀―
継体~欽明朝と大伴金村
雌伏の大伴氏
壬申の乱から律令制へ
律令制下の大伴氏 ―多彩な活躍と暮らしぶり―
一流貴族としての歩み
継承される軍事氏族の伝統
官僚大伴氏
外交使節としての功績
大伴氏の暮らしと精神生活
大伴氏と奈良朝政治の展開 ―多難の八世紀―
長屋王の変
橘諸兄政権下の動き
藤原仲麻呂政権下の苦境
大伴氏の復権
大伴氏と平安朝政治の展開 ―斜陽の九世紀―
桓武朝と大伴氏の受難
伴氏への転成
伴氏の落日
積悪の家 ―エピローグ
あとがき
参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Ohe Hiroyuki
3
大伴氏(←ウヂ)が、どのような存在で、どのような役割を果たしていたのかを振り替える一冊。古代(5世紀)から平安初期(9世紀)頃までを取り扱っている▼大伴氏だけでなく、当時の社会体制についても丁寧な言及があるので、古代~中世を学ぶにも資する良い本である▼異なる氏同士で争うこともあれば、二つの派閥(?)に分かれて同じ氏同士が争うこともあるのは、平安末期どころか今日まで変わらないような気がした。▼本書を読むまでは、大伴氏が武門の誉れ高い氏であるとは正直あまり知らなかった。改めて大伴氏の功績に触れることができる。2026/03/31
Go Extreme
2
大伴氏=ヤマト王権+軍事・近衛・隼人統括=大連 精神:天皇への絶対的忠誠=「海行かば」の伝統 盛衰の軌跡: ①初期・隆盛:室屋+金村=継体天皇擁立等で権力掌握→任那割譲の外交失敗=失脚+勢力大幅マイナス ②低迷・雌伏:物部氏・蘇我氏の台頭=政治的影響力低下 ③復活・飛躍:吹負・御行等が壬申の乱で武功=天武朝で躍進→旅人(太宰帥)+家持(大納言)=政治の中枢+文化(万葉集編纂)の双璧 ④受難・衰退:藤原氏(北家)の台頭=度重なる政争の標的→橘奈良麻呂の乱+承和の変(伴健岑)=大打撃→淳和天皇忌避で2026/04/25
源義
0
大伴金村から伴善男までの400年を通して語る。大化前代における大伴氏=武門の家という見方は正しいのだろうか?国の内外で大伴氏が戦闘に参加していることは確かだが、それで王権の軍事担当と言い切れるのかやや疑問。政権の中枢として戦争を指揮することもあったとは考えられないか。大伴氏=軍事のイメージは壬申の乱での活躍によるものが大きいのではないか。そんな感想を持った。2026/04/14
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