ヒトラー、権力までの180日

個数:1
紙書籍版価格
¥3,850
  • 電子書籍

ヒトラー、権力までの180日

  • ISBN:9784794228314

ファイル: /

内容説明

なぜ民主主義は「最悪の選択」を回避できなかったのか?

その後の世界の運命を決めたヒトラーの権力掌握は、
どのようなプロセスでなされたのか。
『ヒトラーの秘密図書館』で国際的に評価された歴史家が、
ヒトラーが首相に任命されるまでの半年間(1932年7月末~1933年1月)を
当事者の日記や新聞記事などのアーカイブ資料を駆使して、
「当時報道され、人々に認識されたように」再現。
資金難にあえぎ、選挙でも大きく票を失い、側近に自殺をほのめかすほどの苦境から、
ヒンデンブルク大統領による首相任命が実現するまでの曲折浮沈の180日を
臨場感あふれる筆致で描く。

〇本書より引用
《自殺をほのめかしたときにはヒトラーも、もはやあらゆる選択肢や手立てが尽きた状況を思い描いていたに違いない。それでも降伏するつもりはなかった。ヒトラーは終生フリードリヒ大王のある言葉を大切にし、文字どおり死の当日までいつも繰り返し唱えていた。「最後の大隊を戦闘に投入する指揮官が勝者となる」という言葉である。》

《ヒンデンブルクは、ヒトラーに対する自分の立場をシュライヒャーが知っているとなると、これはもはや政治的脅迫なのではないかと考えた。実際シュライヒャーは、選択肢は一つしかないと主張して自身の独裁を求めている。
ヒンデンブルクはそんなシュライヒャーの工作や策略に嫌気が差し、こう告げた。「現状を考えると」シュライヒャーの提案には同意できない。シュトラッサーを味方に引き込み、国会の過半数の支持を得て政府を機能させようと努力してくれたことには感謝している。だが「残念ながらそれを実現できなかった以上、ほかの可能性を試みる必要がある」と。》

《ヴァイマル共和制は二度死んだと言われている。殺害されるとともに自殺した、と。この殺害のほうに関しては、未解明な点はほとんどない。民主的な手続きに従って民主主義を破壊すると誓約していたヒトラーが、実際にそうしたのだ。
だが自殺のほうに関しては、もう少し複雑だ。市民の自由、適正な手続き、報道の自由、国民投票など、憲法による保護を完全装備した民主共和制だったのだからなおさらである。それを考えると、ヒトラーのような並々ならぬ決意を抱いた煽動政治家が民主的な仕組みや手続きを攻撃した場合、いかなる民主主義であればそれに耐えられたのだろうかという疑問が湧いてくる。》

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Go Extreme

2
1932年夏→1933年1月:ワイマール体制=危機。ナチス(大衆)⇔保守派(権力)。パーペン⇔シュライヒャー:内部抗争+大統領の老衰=政治不全。当時ナチス=資金難-議席減→失速危機。だが保守派の誤算:ヒトラー=操り人形と錯覚。現実:ヒトラーの妥協拒否+執念=密室交渉成功。パーペンの私怨+政敵自滅=首相指名(権力までの180日)。独裁政権=クーデター(マイナス)+合法的任命(プラス)。教訓:民主主義崩壊=過激派台頭+エリートの過小評価。2026/04/25

kentake

1
本書では、ヒトラーがドイツの首相に選出されるまでの半年間について、当時の新聞報道など一次資料を分析し、後の歴史を知る立場から生じるバイアスを排除し、政治家としてのヒトラーの足跡を描き出している。ヒトラーが、結果としてドイツを率いることとなったのは、誰も予測することができない多くの事象が重なった結果であり、歴史の恐ろしさを感じる。 ヒトラーのナチ党が、共産勢力の拡大を恐れる右派勢力の政治的駆け引きの中で、反対の声を押し切り政権を獲るという過程からは、現代の政治も反面教師として学ぶべき点があるかも知れない。2026/04/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/23211218
  • ご注意事項

最近チェックした商品