内容説明
公布から80年、今こそ日本国憲法を本気で考える。憲法をめぐって紡がれた物語は、国民に浸透しつつも、第二次安倍政権下で危機に直面する。その時、立ちはだかったのは意外な“存在”だった――。「天皇への敗北」はなぜ起きたのか? その理由を、30年前に物議を醸した「敗戦後論」、昭和の憲法学者と文人の抵抗、戦争責任まで遡って探る。戦後憲法学の試みを近代文学に準え、複雑に絡み合う「天皇・憲法・戦後」の核心に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まーくん
102
う~む、難しい。消化不良!哲学や宗教は鬼門。ちょっぴり刺激的な題名に惹かれ手に取ったが…。『天皇への敗北』の”への”って何だ??消化しきれぬながらも「民主主義」と「立憲主義」の関係について新たな知見を得たのは収穫。憲法は権力者による上からの権力行使に制約を課すものと理解していたが、民主主義社会とは「民衆が権力を作り出す」政治体制だが、この下からの民主的な決定も憲法の定めを越えてはならないという。民主主義と立憲主義は必ずしも一致せず、カントは『純粋理性批判』(勿論、読んだことないけど)の中で⇒2026/06/30
おたま
76
この本を読んでからすでに2週間ほどが過ぎてしまった。この本は、憲法や天皇制、民主主義、立憲主義等について、韓国の学会で、あるいは大学の「講話」で語ったことをもとにして書かれている。薄い本ではあるが、そこで語られることは広範であり、濃密である。どうもうまくまとめられない。ただ、今を生きる人々にとって、とても大切なことが詰め込まれているように思う。特に今現在、皇室典範や天皇制をどう捉えたらいいのかを考える絶好の機会にはなるだろう。再読の機会を設けて読み返したい。2026/08/17
岡部敬史/おかべたかし
66
憲法を蔑ろにした政治運営に疑問を持つ人は読むべき一冊です。 今の政治体制は、民主主義と立憲主義の両立によって成り立っている。民主主義というのは、民衆が選挙によって選んだ人が決めること。立憲主義というのは、そうやって民主主義的によって決められたことも、憲法によって制限を受けるということ。《民主的に決めたからといって何でも認められるわけではない有り体に言えばそういうことである》 わかりやすくこう書かれている。そのことをこうやってしっかりした文章で読むだけでも、救いを感じられる。みんな読もう。2026/05/22
逆丸カツハ
45
天皇が敗北?しそうな今読むとちょっと感慨深いかも。すごい人だなぁとつくづく思う。理想の教師を地で行ってるんだろうなぁ。我が身の無教養も思い知らされる。とてもいい読書体験であった。2026/07/09
とくけんちょ
41
天皇の存在をどのように考えるか。憲法に対する考え方を提示する。文化人がここまで憲法を語る国は珍しいらしい。大衆が憲法を語り、神聖化する。それは戦争ができない国であれという刷り込みが徹底的に浸透した結果だ。戦争と国防は違うはず2026/07/20




