内容説明
\\祝//泡坂妻夫氏デビュー50周年記念刊行
読むべき泡坂作品を探している新たなファンにとって、恰好の入門篇
――新保博久氏(解説より)
クルーザーで遭難し、見知らぬ島に漂流した三人の男。
幸運にも調査に来ていた亜愛一郎と名乗る男に遭遇する。
亜と植物学者・中里教授のキャンプに同居することになった三人は
現地のホロボ族と親しくなる。
だが酋長の妻が病死、酋長も妻の遺体と祠に籠もったまま出てこないという。
さらに中里の拳銃が何者かに盗まれ……。
単行本刊行時に大幅改稿された表題作の「幻影城」掲載バージョンをはじめ、文庫未収録作を集約。
著者デビュー50周年記念刊行。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
sanosano
9
文庫化されていない短編を並べたので統一感はないが,それぞれに味のある話で楽しめた.非ミステリは作者自身の仕事小説になっていてたいへん良かった.泡坂さんの新作がもっと読みたかったなぁ.2026/05/15
花嵐
9
★★★☆☆ 短編集。十一編収録。最後の解説にも書かれているようにミステリ味は薄め。というか、表題作でもある「ホロボの神」は思いっきりミステリであるものの、それ以外はほぼミステリではない内容となっている。しかしそれでも、泡坂妻夫の文章が好きな私からしてみれば十分に楽しめる一冊であることにも間違いはない。ミステリ作家、紋章上絵師、奇術師の三つの顔を持っていた著者の、その全てを味わえる一冊という意味では贅沢な一冊であった。2026/04/14
bluemint
5
表題の「ホロボの神」は単行本や文庫本版とは違っており、この最初のバージョンは読むことが長らく困難だった。私もなんとか掲載の「幻影城」を入手して読むことができていた。今回ここに初めて文庫化されたことはご同慶の至りだ。ただし、内容は未開人を下に見すぎていて、あまり好きではない。むしろ著者が後期に発表し続けた紋章上絵師のシリーズがここでもいい味を出している。彼が書くと現代のことでも、大正や昭和初期の雰囲気が強く滲み出る。2026/05/02
73番目の密室
5
まさか雑誌掲載版の『ホロボの神』を文庫で読める日がくるとは! 改稿前の形でも十分面白いが、やはり改稿後の方がミステリとして筋は通ってるかなあ(だがこちらの方がキャラのとぼけ具合が強く愛嬌を感じる)。表題作以外はミステリ色はほぼなしで、家紋や奇術、戦前戦後の文化に絡めた人情の機微が描かれる。泡坂ファンには馴染みのテイスト。ある意味最大の衝撃は新保博久氏の解説。え、『ホロボの神』って近年まで評価低かったの!? 『有栖川有栖の密室大図鑑』でも紹介されてたし、普通に日本を代表する密室短編だと思ってたのだが……2026/03/31
c3pomotohonzuki
4
南の島の出入り不能な祠内で起きた射殺の謎を亜愛一郎が解決する表題作と、 紋章上絵師や奇術師の11の短編。 ミステリでも奇術でもない、紋章上絵師という著者の一面を初めて知ったが、紋という文化にも興味が湧いた。 「鳥居に兎というのは珍しい紋ですね」2026/03/20




