内容説明
江戸時代、国内最大の叢書『群書類従』の編纂に生涯を懸けた、全盲の学者・塙保己一。盲人とは思えぬ前代未聞の偉業の傍らに常にあったのは、目明き――妻、学者仲間、門弟らとの、すれ違いだった。 “天才・塙保己一”の目に映っていたのは、絶望か希望か、それとも――。「あのお方は、我々には見えぬものまで見えているのさ」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
てつ
20
江戸時代の学者、塙保己一を題材とした小説。目が見える人と見えない人の間にあるものは、何かを問いただす傑作。ヘレンケラーが生涯の支えとした偉人でもあるらしい。障害とは何かを考えさせられる。でもこの保己一さん、ちょっと前に読んだ牧野富太郎と似てますね、ちょっとだけ。2026/03/28
ゆり
3
ヘレンケラーさんの伝記かなにかで塙保己一さんの存在は知っていましたが、詳しく知らなかったので勉強になりました。タイトルにもなっていて各章で出てくる「見えるか」という言葉が、読み進めるうちにだんだんと重く圧し掛かってくるようでした。その言葉の重みに耐えていた保己一さんの独白は苦しい。良かれと思って作ったものが、他の不具者には生きるすべを取り上げられる死活問題だったり、障がい者同士でも壁があるのは現代でも解決していない問題だと思います。輝の章ではあまりに切ない。色々なことを考えさせられる素晴らしい作品でした。2026/03/31
よし
2
保己一本人の視点や、周囲の人々の視点で書かれていました。あきれたり、ねたんだりする人たちも結局はみんな保己一の魅力の虜になってしまう。保己一にしたら、好きな学問をして、盲としてではなく学者として認められたいという望みを叶えたいと願って懸命に努力をしているだけなのに、と不可解に思っていただろうし、賞賛されることを窮屈にも思っていたんだなぁ、と輝ちゃんとの会話から伝わって来ました。最終章、輝ちゃん、なかなかだなと思わされます。保己一のためにも、どうか、輝ちゃんの望みが叶いますように。#NetGalleyJP 2026/03/18
東晃
0
保己一の視点と、周囲の人々の視点が微妙に嚙み合わないというか、ずっとお互いに見えているものと見えていないものが食い違っていて、お互いがどこまで察しているのかわからなくて読んでてずっと苦しかったんだけど、ラスト2話でその辺がかなりストレートに言葉にされていてすとんと腑に落ちた。1話の母親の気づきのシーンとラストが良いですね 星四つ2026/03/26
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