集英社文芸単行本<br> 劇場という名の星座

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集英社文芸単行本
劇場という名の星座

  • 著者名:小川洋子【著】
  • 価格 ¥1,925(本体¥1,750)
  • 集英社(2026/03発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087700381

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内容説明

光と闇、生と死、絶望と愛……この世のすべてを内包する、比類なき劇場【帝国劇場】。2025年2月をもって一時休館となった同劇場の記憶を未来へと繋ぐ、世界でたった一つの“帝国劇場”小説が誕生!

白杖の父が遺した、ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」のパンフレット。そこには新人案内係からの手紙が挟まれていた――「ホタルさんへの手紙」

少年は、劇場2階ロビーのステンドグラスの裏側に寝泊まりしていた。舞台袖、楽屋食堂、馬小屋……自在に歩き回る彼は、ある人を永遠に探し続けている――「内緒の少年」

劇場ロビーに一脚あるという“幸運の椅子”。売店で働くたった一人の“担当さん”だけが代々受け継いできたその伝説と、椅子に座った人々の元に訪れる幸運――「こちらへ、お座りください」

劇場の“壁”に深い愛着を抱いてきた税理士の男、観劇後に日傘を差し館内を歩く“パラソル小母さん”と呼ばれる女性……。彼らの思いを迎え入れ続けた劇場が、ついに最終公演の日を迎える――「劇場は待っている」ほか全八編を収録。

舞台上でスポットライトを浴びるスター、誰かにとっての特別な一日を支える案内係や売店スタッフ、客席から見えない裏側で上演を支えるエレベーター係や幕内係、そして観客……。劇場を愛し、劇場を作り上げてきた人々の密やかな祈りがきらめく豊饒な短編集。

◆著者プロフィール
小川洋子(おがわ・ようこ)1962年岡山市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。88年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞。91年「妊娠カレンダー」で芥川賞受賞。2004年『博士の愛した数式』で読売文学賞と本屋大賞、同年『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞を受賞。06年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞受賞。07年フランス芸術文化勲章シュバリエ受章。13年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。20年『小箱』で野間文芸賞受賞。21年紫綬褒章受章。26年『サイレントシンガー』で毎日芸術賞受賞。『掌に眠る舞台』『耳に棲むもの』ほか著書多数。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

さてさて

143
“帝国劇場を愛する方々の情熱に支えられ、書き上げることができた小説です”。物語の最後に一筆を添えられる小川洋子さん。そんな小川さんが『帝国劇場』に関わる人たちの姿を夜空に煌めく星座のように描くこの作品には、小川さんらしい静謐さの中に光灯る物語が描かれていました。劇場の舞台裏を支える様々な人たちの”お仕事小説”でもあるこの作品。小川さんらしい言葉の羅列にニンマリするこの作品。現在一時休館中という『帝国劇場』。再会の折には、是非足を向けたいという気持ちが沸々と湧き上がる、『帝国劇場』愛に満ち溢れた作品でした。2026/03/05

ゆっき

36
2025年2月をもって一時休館となった帝国劇場。素敵な記憶を未来へ繋ぐ、帝国劇場愛に満ちた八編の物語。父が遺したミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」のパンフレットと新人案内係さんからの手紙。素敵な交流があった『ホタルさんへの手紙』がよかった。父の想いは娘へ。思い出は繋がっていく。一度も訪れたことのない帝国劇場。建て替えで生まれ変わる新・帝国劇場でいつかミュージカルを観てみたいです。2026/03/24

あんこ

29
短編を一つ読み終える度、頭の中で観客の拍手が木霊していった。明記はされないものの、旧帝劇の化身のような少年を軸に、色んな人物が劇場を巡って交差していく。誰も彼もその胸の内に囁やかな思いを抱えながら、劇場の周りをぐるぐるしている。みんなそうなのかな、と思ったら(私は専ら宝塚にしか足を運ばないが)色んな人が愛おしくなる作品だった。小川さんが各エッセイで「観劇にハマった」と書いていたが、それならばきっとこういうさり気ないプレゼントのような作品を近いうちに読めるだろうな、と思っていたのでそれも嬉しい。2026/03/22

桜もち 太郎

24
建て替えのため2025年2月をもって一時休館した帝国劇場を舞台にした八つの物語。読み進めるごとに行ったこともない劇場に愛情まで持つようになってしまう。キャスト、スタッフたち全てにスポットがあてられている。案内係、エレベーター係、売店係、訳者、そして観客。非公認の案内係まで登場する。皆誇り高い。「内緒の少年」に登場する舞台袖で詩を読む俳優は市川正親がモデルらしい。2030年に新たな劇場になるのだが、この本は関係者、観客の橋渡しになるのではないだろうか。休館当日まで取材をした小川さん。もう溜息しか出なかった。2026/03/06

ゆみのすけ

22
先日ある俳優さんの舞台を見に行った。舞台という場所は不思議なところだ。劇を見るためだけに見知らぬ人々が集まり、静かに同じときを過ごす。本書の舞台は帝国劇場。観客は光が当たる俳優さんを目当てにいくが、舞台を作る人々はそれだけではない。案内係、付き人、楽屋係、照明係、支配人など。多くの人々がそれぞれの仕事に誇りを持ち、よき舞台を作るために精進している。様々な職に光をあて、綴られた文章は温かく、劇場の空気がぎゅっと詰まっていた。特に着到板に名前を書く職についている青年の話が好き。2026/03/22

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