内容説明
働きながら一家を支え、人間の本質を捉えた詩を紡ぎ続けた石垣りん。詩とユーモアを携えて現実と対峙した、その生涯に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
47
石垣りん さん、もう30年以上前から作品を知っていたのに、銀行に勤めながら詩作を続けていた生活詩人だったことも知ってはいたが・・・。別冊太陽を読んで初めて詩人石垣りんと出会ったような気がした。茨木のり子さん、谷川俊太郎さんと親交の深かった詩人というのも知らなかった。茨木さんとは、あんな喧嘩もするほど親しかったのかと驚いた。詩に合わせて掲載されている写真も見事だ。過去の記事、寄稿文、手帳や日記まで読むことができ、石垣さんの生活を垣間見た気になった。この本は、生活詩人石垣りんを語る貴重な資料だと思う。2026/05/21
たまきら
36
新刊コーナーより。彼女の詩を「生活の詩」としてまとめて読んだことはないが、「鬼の食事」を全集で読んだことがあった。本当にそれぐらいしか彼女のことばにふれていないことが今悔しい。こういう生き方をした詩人がいた。その素朴な生のことばが50代になってようやくしみてきた感じ。若い頃には気づけなかったものに、「銭湯で」という詩でハッとできた感じ。全集を手にしてみたい。2026/06/09
プクプク
11
ずいぶん昔、友達が色紙に石垣りんの詩を書いて送ってくれたことがあった。それが、とても印象深く、彼女を知るきっかけだった。時折、詩集を読んだりしていたが、彼女の人生については全く知らなかった。今回、この本で銀行にお努めだったことも、わたしには壮絶に思える家庭環境も知った。そしてまた、詩を読み返してみると、今まで気づかなかった事が見える。几帳面な文字や手帳なども掲載されていて人柄も感じる事ができた。年齢を重ねてもお若く見えるお顔も拝見できた。「表札」で始まる。手にとってよかった。2026/06/02
スローリーダー
6
人の実像はその作品に触れただけでは分からない。全生涯を通覧して初めて、こんな人だったのかと想像する程度だ。石垣りんは生活詩人として自分の生活を詩にした。それを裏付けるようなエッセイを書いた。定年まで銀行に勤務したという記録もある。交流のあった人の証言もある。没後記念室には遺品も展示されている。個人情報の多くは公になっている。然し彼女は他人を住まいには入れず、室内環境を頑なに秘した。でも結果的には詳らかにされた。堅物のイメージとは随分違う。この世からいなくなれば何も隠せない。お蔭で人間らしさが加わった。2026/05/09
クァベギ
5
代表的な作品に写真が組み合わされていて、文字だけで読むのとまた違った味わいを醸し出している。また石垣りんの直筆の詩を読む(見る)ことができるのもうれしい。きちんとした、でも少しかわいらしい手書き文字。→2026/03/14




