内容説明
吹かれたいときに吹いてくれる風のないことには心おぼえがある。百子は黙って、窓を閉める。全4篇が描き出す、人生の物憂さと微光。『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』著者の初小説集。
『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』で話題の著者、初の小説集!
ゆきはひとりになって働きはじめ、私は水浴びする男を見つめ、雨の夜に三人は出会い、百子は絶望を抱えたまま暮らしている。
全四編が映し出す、人生のもの憂さと微光。
装幀=岡本太玖斗
【収録作品】
●「けだるいわあ」
唐揚げ弁当ひとつくださいと口に出す。真っ赤なエプロンの女のひとは「はあい」と愛想なく、しかし不機嫌そうでもなく、どちらかというとぽかんとした感じで返事をした。
●「水浴び」
ルーフバルコニーではおじさんが水浴びをしていた。パンツ一丁の姿で、青いホースから水をどんどんあふれさせ、頭の上からきもちよさそうに水を浴びている。
●「カリフラワー」
あの夜は小雨で、傘をささなくてもよいほどの小雨で、というより雨は、わたしが家を出たときにはまだ雨は降っていなかった。気配はあったが、気にしなかった。
●「風を飼う方法」
吹かれたいときに吹いてくれる風のないことには心おぼえがある。百子は黙って、窓を閉める。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いちろく
18
著者名をみて「あぁ、唐揚げ弁当の人だ」と気がついて手にした4編の短編集。いじわるな書き方をすると、著者名を隠されて作品だけ渡されて読んでみたら、「うん???」となっていたと思う。唐揚げ弁当の人が書いた作品であり、あのエッセイ集の既読を前提として読むと、独特な会話の応酬を含め受け入れられやすく成る感覚は、正直ズルいと思う。そういう意味で読む人ごとに評価が割れそう。2026/04/30
カリスマ
11
著者初の短編集。著者は独特のゆったりとした語り口・文体が、優しく撫でられているようでとても好き。『風邪を飼う方法』は個人が抱える孤独・心ぼそさと他人との線引きが描かれている。こちら側の孤独・心ぼそさには付き合ってほし、理解してほしいと思い、それを求めるが、あちら側の孤独・心ぼそさには付き合えない。それは「健康的な線引き」を超えることになる。誰にもが抱える線引きとある種の身勝手さ、そのどうにもならなさが印象に残った。自分はいつも孤独だと感じているけど、相手の孤独に寄り添おうとしたことはあっただろうか。2026/04/12
だてこ
11
けだるい現実を生きる短編四作。カリフラワーが好きでした。でも今の私の求めていたものではなかったかな。2026/04/10
pino
6
吐息さえもしずかに、そっと覗きこむように、耳を澄ますように読んでいた。ほがらかでぴたりとはまる言葉の波にのってすいすいと進んでいくのだけれど、たどり着いた場所はどこかさびしい。許せないことも捨ててしまいたいこともある。どうやって呼吸をしていようか。だれとどんなふうに過ごそうか。何に喜び、何に悲しみ、その気持ちをどうあらわそうか。登場人物と重なる部分はたぶんあんまり持ち合わせていないのに、矢印が自分のほうをむいている気がした。晩さんの文章の調べはいいなあ。2026/03/10
a
4
エッセイが面白い人の小説って感じだー。小説も書いてくれてありがとう、大好きです。2026/04/06
-
- 洋書電子書籍
-
組織行動と人的資源管理
Orga…
-
- 和書
- アロマとハーブの薬理学




