内容説明
私は、またひとつ、旅をしたい土地が増えたことを喜んだ――。世界中を旅してきた著者が、心の声を聴き、気の向くままに日本全国を巡る。初めての一人旅で訪れた男鹿半島、小泉八雲に思いを馳せながら歩いた松江、吉永小百合と語り合った伊豆。近所での意外な発見から遠く福岡で過ごした特別な一日まで、見て聞いて歩き、そして綴った追憶の旅エッセイ。『飛び立つ季節―旅のつばくろ― 電子オリジナル版』改題。〈電子オリジナル版〉は沢木耕太郎撮影の写真が収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Book & Travel
32
沢木さんの国内旅エッセイシリーズの第二弾。単行本で以前読んでいたが、書店で文庫本が出ているのを見つけたので、購入して再読。行く先は、会津、日光、秋田、伊豆、秋月、江戸時代の文献に基づいた都心から世田谷への徒歩紀行など。「深夜特急」以来、様々な著作を読んできたが、70代半ばを過ぎても、行動も文体も昔と変わらず若々しい。こだわりと軽やかさを併せ持ち、旅先での人との出会いや、旅そのものや人生の考え方に焦点を当てた文章は著者独特で、心に残る内容が多かった。また続編も楽しみにしたい。 2026/04/07
Shoji
29
沢木耕太郎さんの国内旅行エッセイ。旅先で感じた、ケの風景。それは、土地に住む人の生活であったり、老婆との日常会話であったり、脚色のない普段着のままの随想が綴られています。なんだか安心感のある心地良い一冊でした。2026/04/13
あきあかね
14
著者のエッセイを読むと、代表作『深夜特急』に通じる旅への姿勢、ひいては人生への姿勢が感じられる。たとえば、著者は旅では名所旧跡よりも、偶然に出逢った人や景色に心をひかれる。冬の金沢の旅で、著者の忘れえぬ情景となったものは、兼六園や茶屋街ではなく、寒く人気のない地下街に置かれたピアノを一心に弾き続ける女性の姿だった。 どんな旅であっても何とかなるだろうという楽観も、深夜特急に通じている。高校生の頃の東北一周のひとり旅で、4人がけの夜行列車で見ず知らずの乗客からもらった蜜柑やあんぱん。⇒2026/04/26
Inzaghico (Etsuko Oshita)
8
『深夜特急』であまたのブックパッカーを誕生させた沢木も、もうすぐ傘寿! まずこの事実に驚いた。 本書では、旅の舞台は日本。16歳の東北周遊旅行で足を踏み入れた秋田の思い出がしんみり温かい。16歳の沢木は秋田でヒッチハイクも経験した。わたしも大学サークルの合宿で、岡山の備中国分寺に向かってだかそこから戻るんだかで田舎道を自転車で走っていたら、ご近所のおじさんが自転車ごと軽トラに載せて運んでくれたことがあった。旅の大家である沢木と少しでも重なる経験があるのは、素直に嬉しい。2026/04/21
時代
8
旅は急ぐなかれ。ゆったりと無駄な時間も思い出と次の宿題になるので。そんな旅をするのは難しい世の中になりましたね○2026/04/15




