内容説明
ショーペンハウアーの「幸福論」
「いっさいの生は苦しみである」とみなしたショーペンハウアーが、逆に「生活をできるだけ快く、しかも幸福に過ごす」方法を説いたのが本書である。
『意志と表象としての世界』の哲学が「生活の知恵」として日常生活のなかにいかに応用されるか、ショーペンハウアー本人が具体的に記述している。
ショーペンハウアーにとって「生活の知恵」とは、襲いかかる運命から身を守る方法、この世でもてはやされるものの空虚さを知り、本質的なものを考える力であった。
「私は生活の知恵という概念をまったく独特な意味にとる。つまり生活をできるだけ快く、しかも幸福にすごすてだてと考える。そのための方策を幸福論と名づけてもよい。生活の知恵とは、実は幸福な暮らしかたを教えるものである。」
ゲーテやシェイクスピアなどの引用に富み、楽しく高雅な、厭世的哲学者による「幸福論」。
【目次】
はじめに
第一章 基礎になるまえがき
第二章 人にそなわるものについて
第三章 人が所有するものについて
第四章 他人がいかに思うかについて
第五章 さまざまな教訓と原則について
第六章 年齢のちがいについて
あとがき(金森誠也)
解説(梅田孝太)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
白い犬
1
幸福とは、何か。自分自身の本性、心の声を素直に聴き、それに従い、生きることができるか。だが、現実的には、様々な要素がそれを阻んでいる。とくに他人、そして世界との関わりそれ自体が幸福への判断を鈍らせている。だからそういう雑念を振り払うためにも、人は孤独になることが必要である……ということか。2025/12/10
佐藤
0
「主観的あるいは客観的条件によってやむなく接触する他人の数が少なければ少なくなるほど、その人はますます幸福となる。孤独と荒廃は、その害悪のすべてをすぐに実感できるとまではゆかなくとも、そのあらましを見渡すことができる。これに反し、社交界はずるがしこい。社交界は、気晴らし、情報、それに社交的な楽しみなどの仮象の背後に、大きなそしてときには救うことのできない災いを隠している。若者はその主たる学問として、«孤独に耐えることを学ぶべきである»。」(196-7 ギュメは訳文では傍点)2025/10/18




