内容説明
皇帝の最愛の弟として将来を嘱望された礼王は、二十歳の若さで急逝した。
遺されたのは、若く、美しく、そしてあまりにも儚い王妃・雪慈。
再嫁を許されぬ皇族の未亡人。
それでも彼女の美貌は、後宮に静かな波紋を広げていく。
愛子を失い病に伏した崔太妃の看病のため、雪慈は宮中へと召される。
そこは、欲望と権力が渦巻く後宮――
一歩踏み違えれば、名誉も命も失いかねない場所だった。
清らかで慎み深い雪慈は、苛烈な姑の仕打ちにも耐え、誰からも疑われぬ存在として振る舞う。
やがて宮中の者は皆、彼女を「無垢な未亡人」だと信じ切るようになる。
だが――
その裏で、天子はすでに彼女を見逃してはいなかった。
密やかな夜、帝は囁く。
「朕の皇子を、皇后として産むか。それとも、名もなきまま産むか」
それは愛ではない。
慈悲でもない。
皇権という名の選択を突きつけられた時、
彼女は“守られる女”であり続けられるのか。
禁忌と権力が交錯する、
中華宮廷ロマンス。



