内容説明
過去に起きた環境汚染の事例や施策をとりあげ,公衆衛生・予防医学の視点に立って,人々の健康を守るために必要な知識をまとめた1冊.医学・医療分野,環境分野の学生や実務者にお薦め.〔内容〕環境汚染と健康影響の基礎/日本の公害問題/各種環境汚染による健康影響/環境汚染の評価と対策/科学的エビデンス/予防原則
目次
第1章 環境汚染と健康影響の基礎 [水越厚史・東 賢一]
1.1 公衆衛生と環境保健
1.1.1 公衆衛生とは
1.1.2 環境と社会の展望
1.2 日本の環境汚染の歴史
1.3 世界における環境起因の疾病
1.4 環境保健の実践
1.4.1 潜在的な影響
1.4.2 因果関係が不明
1.4.3 リスクトレードオフ
1.4.4 リスク認知のずれ
第2章 日本の公害 [加藤貴彦]
2.1 産業公害と環境汚染
2.1.1 公害とは
2.1.2 公害の法的・行政的対策の概要
2.1.3 産業公害
2.2 公害と法規制
2.2.1 主な公害・環境対策法規制体系
2.2.2 環境基本法
2.2.3 環境関連法
2.2.4 化学物質・安全衛生等に関わる法律
2.3 環境対策の現状
2.3.1 公害の苦情件数
2.3.2 典型7公害の動向
第3章 各種環境汚染による健康影響
3.1 事例 微小粒子状物質等による大気汚染 [道川武紘]
3.1.1 原因とその特徴
3.1.2 健康影響
3.1.3 施 策
トピック PFAS(有機フッ素化合物) [池田敦子]
3.2 事例 放射線による環境汚染 [高木麻衣]
3.2.1 原因とその特徴
3.2.2 健康影響
3.2.3 施 策
3.3 事例 アスベスト(石綿)による環境汚染 [友永泰介]
3.3.1 原因とその特徴
3.3.2 健康影響
3.3.3 施 策
3.4 事例 室内環境汚染 [池田敦子]
3.4.1 原因とその特徴
3.4.2 健康影響
3.4.3 施 策
3.5 事例 気候変動 [飯塚 淳]
3.5.1 原因とその特徴
3.5.2 健康影響
3.5.3 施 策
3.6 事例 食品と容器包装 [徳村雅弘]
3.6.1 原因とその特徴
3.6.2 健康影響
3.6.3 施 策
3.7 事例 新型コロナウイルス感染症 [水越厚史]
3.7.1 原因とその特徴
3.7.2 健康影響
3.7.3 施 策
3.8 事例 マイクロプラスチックによる環境汚染 [篠原直秀]
3.8.1 原因とその特徴
3.8.2 生体への影響
3.8.3 施 策
3.9 事例 工業ナノ材料によるヒト健康リスク [篠原直秀]
3.9.1 原因とその特徴
3.9.2 健康影響
3.9.3 施 策
第4章 環境汚染の評価と対策
4.1 環境汚染物質の有害性 [岩澤聡子]
4.1.1 環境中の有害物
4.1.2 曝露形態
4.1.3 曝露経路
4.1.4 体内動態
4.1.5 感受性
4.1.6 毒性の種類
4.1.7 発がん物質の種類
4.2 健康リスク評価 [岩澤聡子]
4.2.1 健康リスク評価とは
4.2.2 リスクアセスメント
4.2.3 有害性確認
4.2.4 量反応評価
4.2.5 曝露評価:生体試料測定による評価
4.2.6 リスク判定
4.3 リスク管理と法規制 [三宅祐一]
4.3.1 化学物質管理へのリスクの概念の導入
4.3.2 化審法におけるリスク評価・管理
4.3.3 労働安全衛生法に基づくリスクアセスメント
4.4 リスク認知とリスクコミュニケーション [東 賢一]
4.4.1 化学物質に対する不安
4.4.2 リスク認知
4.4.3 リスクコミュニケーションの位置付けと必要性
4.4.4 信 頼
4.4.5 リスクリテラシー
4.4.6 パブリックインボルブメント
第5章 科学的エビデンス [水越厚史]
5.1 科学的エビデンスの評価とEBM
5.1.1 エビデンスとEBM
5.1.2 EBM の起源と定義
5.1.3 EBMの二大原則
5.1.4 システマティックレビュー
5.1.5 メタアナリシス
5.2 EBMの実践法
5.2.1 EBM実践のための5つのステップ
5.2.2 根拠に基づく環境保健の実践
第6章 予防原則 [東 賢一]
6.1 基本理念
6.1.1 予防原則が重要とされる背景
6.1.2 予防原則の基本理念
6.1.3 予防原則と予防の用語に対する各国の扱い
6.1.4 予防原則に関する欧州連合や米国等の主張
6.2 対応の遅れで健康被害が拡大した事例
6.2.1 水俣病
6.2.2 労働者のアスベスト(石綿)関連疾患
6.2.3 ホルムアルデヒドによる室内空気汚染
6.3 早期に対応できた事例
6.3.1 ロンドンのコレラ
6.3.2 フロンによるオゾン層破壊
6.3.3 玩具と育児用品に含まれるフタル酸エステル類
コラム
1 経済活動と生活との価値観バランス [加藤貴彦]
2 疫学と公害裁判 [加藤貴彦]
3 水俣病の転換点,1957年 [加藤貴彦]
4 一つの化学物質に対する複数の法規制 [加藤貴彦]
5 公害問題と医学 [加藤貴彦]
6 新しい事象では試験の誤りや解釈の誤りも往々にして起こる [篠原直秀]
7 科学的不確実性が生じる原因について [東 賢一]



