内容説明
百万都市を一手に支配した江戸町奉行所の「実働部隊」が,与力と同心だ.治安維持をはじめとする幅広い分野にわたる彼らの業務の実態と,組屋敷での生活,そして深い教養と豊かな人脈に裏打ちされた知られざる文化活動に光を当てる.そして明治維新後の新時代と格闘しつつ,「江戸」を回顧し,語り継いだ彼らの実像に迫る.
目次
はじめに
第1章 江戸町奉行所とは何か
第1節 巨大都市江戸と町奉行所
江戸の都市構造/町方自治の仕組み/町奉行所の設置/基本的な職務
第2節 名奉行たち
「時代劇でおなじみ」──大岡越前/「今大岡」──根岸鎮衛/「名奉行の聞え高し」──遠山金四郎
第3節 奉行所はどのようなところだったのか
南北町奉行所内の構造/町奉行所跡の発掘調査/小伝馬町の牢屋敷/石出帯刀家の由緒/牢屋敷の内部/遠国奉行所
第2章 与力・同心の仕事
第1節 江戸の町の実務官僚
身分と職務/給料/与力の臨時収入/家系と親族
第2節 さまざまな臨時業務
出役と褒美/祭礼出役/天王祭神輿の町奉行所渡御/浅草寺出入同心/大名の江戸藩邸に出入する
第3章 「八丁堀の旦那」の生活と文化
第1節 「八丁堀」の住まい
御家人屋敷とは/八丁堀組屋敷の構造/屋敷の様子/八丁堀の七不思議/稲荷社の管理と菅北大和
第2節 「旦那」の芸と教養──華やかな文化活動
与力の暮らし向き──コレクションと借金と/写楽を生み出した八丁堀/文武を超える交流/四代目川柳を襲名した人見周助/同心の妻菱田縫子と与力の妻仁杉タキ
第4章 与力・同心人物伝
第1節 江戸前期・中期
丸橋忠弥を捕らえた原兵左衛門・半左衛門父子/加藤枝直・千蔭父子/上坂政形──代官になった与力
第2節 江戸後期
小原惣左衛門──「カミソリ惣左」と呼ばれた名与力/驕奢の人、松浦作十郎/鈴木藤吉郎──「今太閤」とその死/由比万太郎──自身の半生を書き残す/山本啓助──清河八郎を取り逃がす/一葉の父、樋口則義
第5章 与力・同心の幕末維新──江戸町奉行所の終焉
第1節 南町奉行所の明治維新
「江戸町奉行所授受ニ関係シタル者」/慶応年間の町奉行所/南町奉行所引き渡しの日/市政裁判所から東京府へ
第2節 江戸を語りつぐ──佐久間長敬・原胤昭兄弟
町与力佐久間家/弥太吉、佐久間家に生まれる/維新と長敬/征韓論争で下野/南北会と出版活動/弥三郎、原家の末期養子へ/町与力原家/駆け出しで維新を迎える/進取の精神/「最後の浮世絵師」小林清親との出会い/発禁、投獄/社会事業家として/「最後の町与力」の死
巻末表
主要参考文献・史料一覧
おわりに
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- 洋書
- ALICE NEEL



