岩波新書<br> 江戸町奉行所 与力・同心の世界

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岩波新書
江戸町奉行所 与力・同心の世界

  • 著者名:滝口正哉【著】
  • 価格 ¥1,056(本体¥960)
  • 岩波書店(2026/02発売)
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  • ISBN:9784004320999

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内容説明

百万都市を一手に支配した江戸町奉行所の「実働部隊」が,与力と同心だ.治安維持をはじめとする幅広い分野にわたる彼らの業務の実態と,組屋敷での生活,そして深い教養と豊かな人脈に裏打ちされた知られざる文化活動に光を当てる.そして明治維新後の新時代と格闘しつつ,「江戸」を回顧し,語り継いだ彼らの実像に迫る.

目次

はじめに

第1章 江戸町奉行所とは何か
第1節 巨大都市江戸と町奉行所
江戸の都市構造/町方自治の仕組み/町奉行所の設置/基本的な職務
第2節 名奉行たち
「時代劇でおなじみ」──大岡越前/「今大岡」──根岸鎮衛/「名奉行の聞え高し」──遠山金四郎
第3節 奉行所はどのようなところだったのか
南北町奉行所内の構造/町奉行所跡の発掘調査/小伝馬町の牢屋敷/石出帯刀家の由緒/牢屋敷の内部/遠国奉行所

第2章 与力・同心の仕事
第1節 江戸の町の実務官僚
身分と職務/給料/与力の臨時収入/家系と親族
第2節 さまざまな臨時業務
出役と褒美/祭礼出役/天王祭神輿の町奉行所渡御/浅草寺出入同心/大名の江戸藩邸に出入する

第3章 「八丁堀の旦那」の生活と文化
第1節 「八丁堀」の住まい
御家人屋敷とは/八丁堀組屋敷の構造/屋敷の様子/八丁堀の七不思議/稲荷社の管理と菅北大和
第2節 「旦那」の芸と教養──華やかな文化活動
与力の暮らし向き──コレクションと借金と/写楽を生み出した八丁堀/文武を超える交流/四代目川柳を襲名した人見周助/同心の妻菱田縫子と与力の妻仁杉タキ

第4章 与力・同心人物伝
第1節 江戸前期・中期
丸橋忠弥を捕らえた原兵左衛門・半左衛門父子/加藤枝直・千蔭父子/上坂政形──代官になった与力
第2節 江戸後期
小原惣左衛門──「カミソリ惣左」と呼ばれた名与力/驕奢の人、松浦作十郎/鈴木藤吉郎──「今太閤」とその死/由比万太郎──自身の半生を書き残す/山本啓助──清河八郎を取り逃がす/一葉の父、樋口則義

第5章 与力・同心の幕末維新──江戸町奉行所の終焉
第1節 南町奉行所の明治維新
「江戸町奉行所授受ニ関係シタル者」/慶応年間の町奉行所/南町奉行所引き渡しの日/市政裁判所から東京府へ
第2節 江戸を語りつぐ──佐久間長敬・原胤昭兄弟
町与力佐久間家/弥太吉、佐久間家に生まれる/維新と長敬/征韓論争で下野/南北会と出版活動/弥三郎、原家の末期養子へ/町与力原家/駆け出しで維新を迎える/進取の精神/「最後の浮世絵師」小林清親との出会い/発禁、投獄/社会事業家として/「最後の町与力」の死

巻末表

主要参考文献・史料一覧

おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

128
江戸町奉行所とそこで働く与力・同心については時代小説やドラマで知ったつもりになっていたが、その歴史や職務、八丁堀での生活ぶりなどは初耳の話が多い。幕府の政治を現場で支えた実務官僚であり、身分は高くないが彼らなくしてパックス・トクガワーナはなかっただけに、働きぶりを認められ代官に出世するなど誇りをもって仕事に取り組んだ。一方で、仕事は適当にやって学問や文化面で名を馳せたり、上手く立ち回って贅沢な生活を送るなど人間模様が面白い。しかし町民と日常で接していたからこそ、維新で新政府に静かに引き継いだのだと思える。2026/04/25

よっち

27
百万都市を支配した江戸町奉行所の実働部隊・与力と同心。その実態と組屋敷での生活、深い教養と豊かな人脈に裏打ちされた知られざる一面に光を当てる1冊。世界有数の大都市・江戸で司法・警察はもちろん、幅広い業務を担った南北町奉行所。名奉行たちを紹介しながら、奉行所はどんなところだったのか、与力・同心の仕事内容、生活と文化、与力・同心人物伝や、彼らが江戸町奉行所の終焉をどう迎えたのか。経済的・身分的矛盾や制度の建前と実態の乖離が浮き彫りになり、記憶の継承者たちが江戸の記録を保存・出版していたことは興味深かったです。2026/03/27

さとうしん

18
時代劇に登場する江戸の与力や同心の実像。時代劇では奉行の実働舞台という印象しかなかったが、実のところ官僚としての側面が大きいようだ。彼らの中に学者や歌人などの文化人と言える人が多いのも意外。その影響で与力・同心が暮らす八丁堀には画家などの芸能者や医師なども含めて文化人が集まっていたようで、写楽の正体と目される齋藤十郎兵衛もそのひとりとのこと。明治維新後は与力・同心の生き残りが記憶・記録の継承に努め、早期の時代小説執筆にも大きな影響を与えたとのこと。2026/03/03

A.Sakurai

6
時代劇ドラマや小説で慣れ親しんだ江戸の治安維持に携わる人びとを史料から描いた新書.けっこう昔から研究書は出ているそうで,そのせいかフィクション作品の多くは制度的に実態とかけ離れてはいないようだ.本書は制度面にプラスして個々人の経歴や生活までも紹介してる点に特徴がありそうだ.住居(組屋敷拝領地),人事ロテーション,収入・支出,文化人との交流,事件捜査などなど.細かいところがやはり面白い.残された史料は社会的立場が強かった与力に偏るので,その制約はありそうだ.2026/04/03

261bei

3
江戸町奉行所の与力・同心について書かれた本。前提となる江戸都市部の状況、町奉行の組織と権限、禄の実態、有名な与力の紹介などが幕末の与力原胤昭の著作を資料として詳しく書かれている。幕末~明治の与力・同心が平穏に統治機構を明け渡したこと、それもあって明治になっても彼らの人間関係は維持されていたことは興味深い。2026/03/06

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