ちくま新書<br> 古文と漢文 ――書き言葉の日本語史

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ちくま新書
古文と漢文 ――書き言葉の日本語史

  • 著者名:田中草大【著】
  • 価格 ¥1,056(本体¥960)
  • 筑摩書房(2026/03発売)
  • 澄みわたる秋空!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~11/8)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480077295

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内容説明

古い文と書いて、「古文」。平安時代と江戸時代では、数百年を隔てているのに、なぜ『源氏物語』と『奥の細道』は同じ文法で読めるのか。また、昔の中国の文章である「漢文」。なぜレ点などの印までつけて、「中国語」を「日本語」で読もうとするのか。「そういうものだ」と思って学んできた「古文・漢文」という教科は、たびたび要不要の議論の的となるが、それぞれの主張の前提が一致していない。そもそも古文とは何か。漢文とは何か。書き言葉の日本語史を精緻に解き明かし、議論の基礎を供する。

目次

はじめに──本書の目的・構成・特色/第一章 古文とは何か(1)話し言葉と書き言葉/第1節 教科書から見る古文の範囲/第2節 「古文」ではない「古い」文章/第3節 話し言葉史と書き言葉史/第4節 古文の用途と範囲/第5節 本章のまとめ/コラム 書写による古典の伝来/第二章 古文とは何か(2)変わっていく古文/第1節 古文の変化/第2節 古文の衰滅/第3節 現代の古文/第4節 本章のまとめ/コラム 不遇なる現代の古文学習者/第三章 漢文とは何か(1)訓読という方法/第1節 なぜ漢文が国語なのか/第2節 漢文訓読の方法と実態/第3節 漢文訓読が日本語に与えた影響/第4節 日本漢文と訓読/第5節 本章のまとめ/コラム 文言文と白話文/第四章 漢文とは何か(2)変わっていく漢文/第1節 漢文の訓み方の変化/第2節 漢文の書き方の変化1──候文/第3節 漢文の書き方の変化2──仮名交じり文への遷移/第4節 本章のまとめ/コラム 訓読の弱点と「復文」/第五章 古文のことば、漢文のことば/第1節 和文と漢文訓読文/第2節 和漢混淆文/第3節 散文と和歌/第4節 奈良時代の古文/第六章 歴史的仮名遣いとは何か/第1節 仮名遣いとは何か/第2節 いろは歌/第3節 歴史的仮名遣いの方針/第4節 歴史的仮名遣い以外の《歴史的》な仮名遣い/第5節 現代仮名遣いとは何か/コラム 点字仮名遣い──「現代仮名遣い」以外の現代の仮名遣い/あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

83
学生の頃、古文や漢文とは何かなどと考えることは一切なかった。古文・漢文は国語に必要なのかという議論もある現代に、著者はその本質を日本語史の観点から解き明かす。結論から言うと、「古文とは、古い文法を保って使われ続けた「書き言葉」であり、話し言葉は時代と共に変遷していったものである」「漢文における訓読とは日本において漢文を読む第一の方法であり、訓読を応用して漢文を書くことも広く行われてきた」。奈良時代には万葉仮名と呼ぶ漢字だらけの文章だったのが、古文は平安時代から一貫して使われて来た。詳細な註釈が素晴らしい。2026/06/21

サアベドラ

32
学校で学ぶ古文と漢文はそもそも何をなのかを説明した新書。2026年刊。古文は単なる古い時代の文章ではなく、平安時代頃に成立・固定し、明治~大正に口語体に取って代わるまで連綿と使い続けれられた書き言葉。漢文は実際には漢文訓読法で、じつは古文よりも成立が奈良時代と古く (日本の書き言葉は漢文受容から始まったので当然だが)、候文などの変種を生み出しつつ古文と並行して書き言葉として使われてきた。要するに両者は過去の日本における標準的な書き言葉であり、これらの文法を学ぶことは読み書きを学ぶことそのものであった。2026/08/02

よっち

29
平安時代と江戸時代は数百年を隔てているのに、なぜ『源氏物語』と『奥の細道』は同じ文法で読めるのか。書き言葉の歴史から丁寧に解き明かす1冊。いつからいつまでが「古」文なのか、なぜ源氏も論語も舞姫も 一種類の文法で読めるのか、なぜ「レ点」を使って中国語を読むのかなど、古典学習で誰もが抱く素朴な疑問に答えていて、古文と漢文の語彙・文法の比較、漢文訓読が古文に与えた影響や歴史的仮名遣いの成り立ちなどを分かりやすく解説する一方、古文が漢文訓読という独自の読み方が生み出した書き言葉の系譜であることがよくわかりました。2026/04/13

ひよピパパ

28
古文・漢文を日本語史の中においてわかりやすく解説した書。用例が豊富で読み応えがあり、また章ごとに終わりに要点がまとめられていて理解を助けてくれる。『源氏物語』であえて男性の人物に漢文調のセリフを語らせているとか、候文がなぜ流行ったのか、「お」と「を」はどうやって書き分けたのかなど、盲点になりがちなトピックにも多く触れ、解説されるので、とても勉強になる。2026/05/22

bapaksejahtera

20
若い時から当時言う国語学に関心があり音韻や文法の変化にはそれなりの知識があった積りだが、我が日本語の、特に表記に関連する様々な基本事項を体系的に事例を以て説明している本書を通読してみると、日本語という言語の歴史的にどのように表記してきたか、かなり理解できたと思える。①漢字と仮名の普及を以て文学が発展した事で古語文法が平安時代に確立しそれが歴史的に書き言葉を規定②漢文訓読の成立発展が日本語に強い影響を与えた外、変体漢文が生まれる③最後の歴史的仮名遣いへの意見には若干の異議があるが、総じて判り易い良書に思う。2026/09/10

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