内容説明
私は皮膚科医になって今までいろいろな皮膚疾患を診察してきました。
しかし、アトピー性皮膚炎(以下、アトピー)ほど治療に手こずる疾患は初めてです。
幼少時から続く方や経過の長い方は非常に難治であると強く感じます。
今まで、たくさんのアトピーの患者さんを診察してきました。
その中で唯一効果があったと確信したのがステロイド外用と内服でした。
ステロイドで皮膚のかゆみや湿疹が劇的によくなり、患者さんには大いに喜ばれました。
アトピーの名医になったと疑うほど、治療に自信を持つこともしばしばありました。
だが、現実は甘くありません。
一旦よくなったとしても、
「ぬるのをやめたら、また出てきた」
「いつまでぬればいいのか」
「いつ治るのか」
という不満を持つ患者さんも後を絶ちませんでした。
こうした患者さんに対してさまざまな治療法も試みました。
しかし、これといった効果は実感できずに終わりました。
やはり、
「アトピーは治らないのか」
「ステロイドをぬらないとだめなのか」
「ベストを尽くしたのだから、それでいい」
といった複雑な思いを胸の内に巡らせながら診療に勤しんでいました。
そんなとき、ある医学雑誌に『血液検査データから見えるもの』という記事を見つけました。
血液検査というのは病気の診断に用いられます。
その記事には血液検査を通して栄養の評価法や栄養による改善例が紹介されていました。
これが栄養療法との出会いでした。
私も含めて医師の多くは“病気は薬で治療する”ということを教えられてきました。
そのため「栄養なんかで本当に病気がよくなるのか?」という疑問はありました。
しかし、その疑問は栄養療法を学んでいくうちに甘い期待に変わっていきました。
私たちの体というのは、日々の食事から摂取する栄養から作られます。
逆にいえば、栄養障害があると体がうまく機能しないことは容易に理解できます。
皮膚の機能が低下すれば、刺激に対して皮膚が過敏に反応します。
その結果、さまざまな皮膚の変化を引き起こします。
皮膚は内臓(栄養)の状態を映し出す鏡です。
アトピーで見られる皮膚の変化も体内の栄養状態が反映された結果なのです。
書店にはアトピーに関する本が数多く並んでいます。
その多くはスキンケアや薬の使い方を紹介した内容ばかりです。
本書はアトピーと栄養がテーマです。
しかし、「○○食でアトピーを治す」という単純な内容ではありません。
『分子整合栄養医学』という古くて新しい医学とアトピーの関わりを述べています。
本書を通じて、アトピーの新たな視点や治療のヒントになれば幸いです。
甲子園栗木皮膚科クリニック 栗木 安弘
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