内容説明
『ともぐい』著者が描く女性ハンター誕生
命を撃つ。その意味を、私は?みたい。
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大学生のマチが出合った狩猟の世界。
新人ハンターとして歩みを進める彼女の前に、
一頭の熊が現れる??
直木賞『ともぐい』の著者・河﨑秋子が北海道を舞台に描き出す、
狩猟と狩猟に携わる人々の物語。
それは、すぐ隣にあるリアルな現実。
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「撃たれる動物にとっては、撃った人間が男か女か、お金があるかないか、容姿がどうとか、関係ないんだって。そういうの全部、関係ないところに私は行く」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
208
令和を舞台に狩猟がテーマの小説とは、北海道の酪農家に生まれた著者にしか書けないのでは。周囲と同じ生き方に疑問を抱かなかった女子大生が偶然ハンティングに興味を持ち、実際に動物の命を奪う経験を重ねて成長していく設定がユニークだ。様々な狩猟哲学を持つハンターや理解ある家族から見守られる一方で、血を見るのを忌避する恋人や友人は離れるなど、この世界で初めて知った葛藤や苦悩を味わうドラマが面白く読ませる。昨年来のクマ騒動でハンターの存在は広く認知されたが、人が生きるために動物を殺す覚悟と必要性を改めて考えさせられた。2026/03/12
starbro
198
河﨑 秋子、5作目です。本書は、女性ハンター青春成長譚でした。熊駆除のリアル、未知の世界です。最近、熊の話題が少ないですが、実際の所、どうなのでしょうか❓ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000911.000043732.html2026/04/02
hiace9000
154
熊、馬、羊…動物と人間とをつなげ、命の現場に身を置き、その生殺を生業とした経験をもつ川﨑さんーゆえのさすが!たる快作。その筆に宿したのは、自然界における人間と動物が対峙する「狩猟」行為そのものの核心を観取せんとする透徹した眼差し。狩猟の世界に魅了され本格的な女性ハンターを目指す大学生・マチ。歩む先で出会う人々から"動物の命を撃つ"意味を、悩み、葛藤し学んでいく。直木賞作『ともぐい』で描くあの滾るが如き熱とは異なる、人に内在する残酷さや傲慢さを孕んだ奥深い山中の森閑にも似た、冷静で冷徹なる熱を感じるのだ。2026/03/30
いつでも母さん
154
無暗な殺生ではない。人間が一番偉いわけではない。自然界の線引きは難しい。『令和の狩猟エンタメ』と帯にある。河﨑さん問題提起してますね。ここ数年熊の被害とか、増えすぎた鹿問題とか、ハンター不足とか・・実際に厄介なのはそこで暮らしていない人間たちの勝手な行為(ネットにあげるとか、自治体への抗議とか)命をかけて駆除する者の葛藤や苦悩・・それぞれの思いがヒシヒシと伝わる本作。ハンターたちの熱い覚悟を突き付けられた感じ。「熊が憎いわけじゃない」「自分は怖い人間かもしれないと思っておくこと」その言葉を嚙み締めた。2026/03/12
しんたろー
134
河﨑さん新作は、若い女性ハンター・マチの成長譚で、日本の狩猟制度も判り易く盛り込んでいるので勉強にもなった。著者の代表作『ともぐい』や『肉弾』のような「生々しい野生」が強烈に匂ってくる訳ではないので、それを期待すると肩透かしな感じもするが、現代っ子であるマチの視点で淡々と描かれているので返ってリアルに感じた。著者は殆どの作品で「命」をテーマに盛り込んでいるが、それが説教臭くなく、素直に考えさせられたのも良かった。登場人物たちは概ね良い人で、グロテスクな描写も少ないので、河﨑作品の入門として丁度良いと思う。2026/04/26
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